第四十五条
童話であるから。ひとはおもしろい話をきくことが好きなのだ。はじまりは実にシンプルでしかない。実意も愛情も無い紆余曲折を経て、遠い祭壇にまつりあげられ誰も接触しなくなってしまった「文学」を私はあなたのところに引き戻してあげたい。極めて高度な技法が駆使されているアルチュール・ランボーの詩群がそのエッセンスを童話、おとぎ話から汲み取っている点はおもしろい。「むかしむかしのことでした」からはじまる、あの高揚の予感は幸福な烙印として我々に刻まれている。
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