第二十九条

歴史であるから。歴史の醍醐味は縮尺の問題ともいえるかもしれない。あなたに手渡されたルーペはあなた自身のもので自在である。マクロ・ミクロ、社会・個人、ピカチュウ・一揆、基準はなんでもいい。あなたがもっているものからあなた自身が引き出されるのだ。現代の歴史家の言葉がなんの感興もあなたにもたらさないならば、それはかれらの怠慢と無能に過ぎない。本書は個人史としても、社会史としても十全な情報を提供している。

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