第九条

ある種の避難所シェルターになり得るから。「もう死んでしまいたい」と思った時に、ちらりとこの本の背表紙に目をむけてもらいたい。するとあなたはこう思う「そういえば世の中にはこんなアホンダラがまだいたんだ。私はなにをやっているんだろうバカらしい」あるいは「こんなに卑劣な人間がのうのうとオヒサマの下に生きていられるのに、苦しんでいる場合じゃない」等。また、あなたは「自分より下の人間がいる」という厳然たる事実に充足と安らぎを得るかもしれない。あるいは「こんなにも愚かな人間は私が救う他ない」と奇特で庇護的な愛にかられる人もいるかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る