第七条

榎波治樹という、現代最高のデザイナーが装幀を手がけているから。より正確を期して言うならば、彼は元デザイナーであり、現在は宝石商である。私自身は一介の装幀好きとして、装幀技術ルリユールを工房で学んだことがある。こうした嗜好を持つ方は世に少ないかもしれないが、デザイン全般について興味を抱く人は多いだろう。彼の冷徹峻厳な審美眼の下、宝飾品のごとき意匠を凝らし装幀されたこの書に散りばめられた美質をぜひ手にとって味わって頂きたい。美的経験は何物にも替え難い。最近、なにかをとっくりながめて「鑑賞」する時間が減っていたなと気づく方もいるだろう。

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