王弟殿下の癒し役、喜んで辞退させていただきます!

たや

はじまりの話

 ✥ 


 むかし、むかし。そのまたむかし。


 ひとびとは、つめたいつちのなかで、ねむっていました。


 あるとき、そらからたくさんのおほしさまがふってきました。


 ふってきたたくさんのおほしさまは、つめたいつちのうえにおち、あたたかなひかりをはなちました。


 そのあたたかなひかりにみちびかれ、ひとびとは、ねむりからめざめることができました。


 たくさんのおほしさまは、ふしぎなちからをあたえ、ひとびとはそのちからをつかってしあわせにくらしました。


 しかし、あるときとつぜん、たくさんのおほしさまは、きえてしまったのです。


 ふしぎなちからも、どんどんきえていき、ほんのわずかしかのこりませんでした。


 すると、ひとびとはのこされたふしぎなちからをもとめ、たがいにあらそうようになりました。


 そのあらそいは、どんどんとおおきなうずをまきおこし、ひとびとをくるしめるようになりました。


 おおきなうずのなかにはいると、いきもできず、くるしみのあまり、にどとおきあがることができないといわれています。


 ひとびとはぜつぼうし、つめたいつちのなかで、またねむるようになりました。


 そんなとき、ひとりのゆうかんなきしがたちあがりました。


 そのきしは、ひとびとをすくうため、たったひとりでおおきなうずへとたちむかうたびにでかけたのでした。


                                         

                      ✥


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