いろいろとやってみる!

三日月理音

第1話 花植えボランティアはするな

 通年ボランティアで申し込んでみたはいいが、えらいめにあったというリポートになる。ただ、このボランティアで怒りに火がつき、わたしは仕事復帰することになった。


 

【事の経緯】

 療養中でなんとか社会復帰したくて、申し込んだボランティアが花植えの通年ボランティアだった。社会と繋がりたい! という欲求があった。遊びはほとんどやりつくし、することがなかったのもある。

 このほか有償ボランティアにも申し込んだが、まったく依頼はない。数百円でも手痛い時代なのだ。わたしもたかだか薬局に薬をとりに行ってほしいというだけで、金は出したくない。



【行ってみたが……?】

 炎天下でほとんど休憩もなく2時間延々やり続けた。疲労困憊で汗だく。帰宅して軽い熱中症になっていた。疲労は翌日まで持ち越し、地獄を見た。これで無償?! アホくさ! 馬鹿げてる。

 作業は至って簡単なのだが、コミュニケーション+チームワーク+手際の良さ+動きの手早さを求められた。仕事以上にきつい。説明もない。初心者なのに。

 しかし、ボランティアという特性なのかそこがそうなのかわからないが、指示もなく、率先した動きもなく、みな遠巻きに見ている。

 新人がわたし含め2名いたが、動いたのはわたしのみ。なぜかマウントの取り合いが始まり(立ち位置を決めなければならない感じだった)作業を押し付けられたり、リヤカーを引っ張り回す羽目になった。すごく風通しが悪くとにかくやりづらい。

 話を振っても「は?」と言われて変な顔をされる。フレンドリーとは無縁で、「家は近いのか?」と聞かれて辟易した。いくら高齢とはいえいきなりそこに行くのかと驚いた。同性だったが。

 準備も事細かく指示があり、とにかく面倒くさい。やってられるか!



【ボランティアとは?】

 わたしはこれを機にボランティアを辞退しようと決めた。無理。毎回寝込むとかありえない。だったら復職に向けてちょっとずつ簡単な仕事をしていこうと決めて、仕事も決めた。ボランティア経験で一番ありがたかったのが、この怒りであった。やってられるか!

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