第110話 エレベーターの恐怖②

 ようやくエレベーターのトビラが開いた。


 私は転げるように外に出た。


 ここはどこ? 職場のフロアではない。


 広くて薄暗い部屋。古ぼけたテーブルやソファーがある。


 誰もいない。


 女の笑い声が追って来る。


 怖い、怖い、怖い。


 部屋にドアも窓も無い。


 ここから出られない。


 あるのはエレベーターだけだ……。


 了


 


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