星の民がつないだ手

ねむいやつ

~時が流れ年を取る~

宇宙の片隅に、地球にそっくりな星があった。その星には二つの国があり、一つは眼鏡を愛する国、もう一つはコンタクトレンズを推す国だった。両国の王は、視力矯正の方法を巡って意見が分かれていたが、どちらも若く美しい統治者だった。

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眼鏡派の国の王は、眼鏡をかけることで知恵が増すと信じており、彼の国では眼鏡が知性の象徴とされていた。一方、コンタクト派の国の女王は、目に見えないコンタクトレンズが自由と進歩を表すと考えていた。


ある日、両国の王は、視力矯正の方法を決めるために、大会を開催することにした。眼鏡派の国からは、最も洗練されたデザインの眼鏡を持つ者が、コンタクト派の国からは、最も快適なレンズを持つ者が選ばれた。しかし、大会の最中に予期せぬことが起こった。眼鏡派の代表者の眼鏡が壊れ、コンタクト派の代表者のレンズが失われたのだ。


この事態に、二人の王は互いに協力することを決意し、新たな視力矯正の方法を共同で開発することにした。そして、彼らは「視力の絆」と呼ばれる特別な眼鏡を作り出した。この眼鏡は、眼鏡とコンタクトの両方の利点を兼ね備えていた。

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この星には航太という少年がいた。彼は好奇心旺盛で、母親とスーパーに行くといつも迷子になってしまう。母親は彼の手をしっかりと握っていたが、航太は自由を求めていた。彼は世界を自分の目で見て、触れて、理解したいと願っていた。


航太はその言葉を胸に刻み、冒険心を持ち続けた。彼は星の科学館で開催された「宇宙探検家」のコンテストに参加し、自作の小さなロケットを発表した。航太のロケットは、彼の創造力と情熱が詰まった素晴らしい作品だった。コンテストでは、航太は最優秀賞を受賞し、彼の名前は星中に知れ渡った。

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時が流れ、二人の王も歳を重ねた。若い頃は何でも思いのままにできると信じていたが、歳を取ることだけは避けられなかった。そして、二人とも白内障になり、眼鏡もコンタクトも役に立たなくなった。


そこに新たな希望が現れた。外科手術に長けた星からの使者がUFOでやってきて、白内障の手術を提案した。二人の王はその提案を受け入れ、手術を受けることにした。UFOでの往復の間、男王と女王は老眼について話し合い、恋には落ちなかったが、良い友達になった。

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その後、両国では眼鏡とコンタクトの禁止令が解除され、民衆は楽しみを失ったが、便利さを得た。そして、航太も成長し、今では母親を導く立場になった。彼は母親に「気を付けて」と言いながら、手を引いて歩いている。


そして、めでたしめでたし。王も、航太も、その星の民も、新たな時代を迎えた。互いに手を取り合い、理解し合い、共に歩んでいく。それぞれが新しい日々を楽しんでいるのだった。

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