イブイブ

@nekochansong03

第1話

イブイブ

竹森未来はタメ息を付いた。好きでついた仕事では無いが、就業して3年がたった。

24歳になったのを考えると、人によっては若いと言われるが、なんとなくあせりを感じる。

誰が悪いわけではないが、21歳の時両親が交通事故でなくなった。高速道路の巻き添え事故だったが、何故か当事者でもないのに、なくなったのは両親だけだった。優秀なのにお人好しの両親らしかった。

母親の妹家族に世話になったが、、、

下の子の男の子が病気になった時も、病気を拗らせて髄膜炎になり、生死をさまよい、私の両親は献身的に支えた。叔母の夫は運転が出来ず、私の父まで家をあけた。私の家は賃貸だったが、身分を弁えず家を購入し、支払いが滞り、かなり私の両親が工面した。

亡くなった当時は、母親の実家の墓を立て直すのに賛成したが、

少しすると、身の程を知りなさい、孤児の言葉を投げつけられた。

10年に一度位切れることがあって、大学を辞めて就職することにした。当てずっぽうに選んだのが、シティホテルだった。

高卒扱いだったが、出世も早く、待遇も良かった。私は、S気質で、高卒の後輩をからかうのも楽しかったし、先輩は、リピーターや連泊を有り難がったが、私は一見のバラエティーが好きだった。

オタクや初恋の相手、佐々武の事件を未然に防いだのが評価されたか、何故か後輩の指導を頼まれることが多く、新しい大阪のホテルの指導の出張をいわれた。

薔薇の薫りをさせた妙齢の女性に興味を引かれた。その後同じ薔薇の薫りをさせた、タオルを返して来た、中年のインテリ風の男性の接客をした為に、強く注意を引かれた。

俺は、斉藤一夫、一応警察官だが、希望を言えば学者に成りたかった。警察官一家で、この適当な名前も、後に何人も男の子をもうけるはずが、不幸なことにひとりっ子だった。それ幸いに、優秀だがマイペースの評価なので、進学校に進み、東大に入った。学者に成るつもりが、家族から待ったが掛かった。警察にキャリアとして入る事になった。

やる気のないキャリアが渾名となった。それで、学者の殺人事件の件で、目障りな優秀なテキパキした、やる気を充満させた女刑事、と組まされることになった。

この事件は迷宮入りのカンジだったが、本部が期待せずに女刑事に当たらせた、大阪のシティホテルの聞き込みが突破口になった。

竹森未来が、そのやる気に充ちた女刑事の訪問を受けたのは、事件発生からかなりたってからだった。竹森未来は、私より少し若い位か?と思った。雑談として、薔薇の薫りの女性のことを話した。

当初、女刑事はバディを組む幹部候補、キャリアの28歳の男性には報告しなかった。だが、ホテルのフロントの彼女は印象に残って居たし、行き詰まった時に、雑談として語った。

一夫はそれを重要視した。だが全体像がみえず、苦戦した。最後の頼みの綱で女刑事はあのフロント係に電話した。すると突起な発言で、あなたの方が空気を読めるから、サービス業に、私の方が女刑事に向いていると言った。刑事達は最初気付かなかったが、分かり、交換殺人として、見事解決した。

竹森未来のラスボス感を女刑事は印象に残ったし、

斉藤一夫は刑事の仕事が面白くなって、竹森未来にもう一度会えることを強く望んだ。

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