第3話 対人戦

カノ Lv5 SP 15/15


【職業】 シンパシスト


【装備】 なし


【スキル】

 ・シンパシーリンク

 ・暴走催眠

 ・シンパシーダイブ

 ・ダブリング



【シンパシスト】

 ―魔王カーシーに魅入られた者。一部NPCの心の声を聞くことができる。

 【就職条件:キャラクリエイト時に、魔王カーシーに魅入られたプレイヤーとカップル機体で同時接続している。】


『シンパシーリンク』 (SP1)

 ―味方同士の攻撃を合成することができる


『暴走催眠』 (SP1)

 ―相手に状態異常【催眠】を付与する。【催眠】は強制的に味方を攻撃してしまう状態異常である。味方がいない場合は自傷攻撃に変更される。


『シンパシーダイブ』 (SP1)

 ―味方の陰に潜ることができる。味方の死亡時、強制的に解除される。


『ダブリング』 (SP1)

 ―自分の分身を召喚する。分身は指定した味方と同じ攻撃を繰り出す。HPは本体と同じ数値になる。



 ん〜むっずい!


 これ完璧にマルチ専用じゃんか。


 まぁ私はカノがいいならずっとカノとプレイしたいけど。



「それにしてもすごい服装だよね」


 カノは黒いゴシックドレスにレースアップシューズをしていた。


 私よりも高い身長が、服装とのギャップを良い意味で強調している


 黒い髪に、黒い瞳、比べるものがいないほどの美しい顔はリアルのまんまだなぁ。


 あ、そこも大きいままなんだね・・・・


「シズも変わらないわよ?」


 うん私も黒白を基調とした衣装だしね。


 でも「ピコン!」てなりそうなクイズボタンがついたネックレスは可愛いかも。



 私たちはスキルに慣れるためにもハジマール平原で狩りを続けることにした。


 おっ、早速相手が出てきた。


 な、何このふわふわしたの!可愛い!


 カノをちらりと見ると可愛さのあまり震えていた。


 でも倒さなきゃね!


 

「ペットボトルボンバー!」


 私がスキルを使用すると同時にラムちゃんが相手を『飲み込む』。


「シンパシーリンク!」


『攻撃が合成されました。「スライムボンバー」を発動します』


 おお!ラムちゃんの中で何回も爆発が起こった!


『ハジマールワタアメ(Lv7)を撃破しました!』


『カノがレベル6に上昇しました!』


『シンパシーリンク』、強いな・・・・


 ちなみに経験値はパーティのみんな同じだけ貰えるらしい。




「おいおい!さっきのねぇちゃんじゃねえか!」


 ワタアメちゃんを倒して喜んでいると、さっきの怖い人が声をかけてくる。


 知らない男2人と狼が1匹を引き連れている。


「誰よ?」


「あん?お前らにとっての、死神だよ!!」


 そう言うと3人と1匹に囲まれた。


 ど、どうしよう!


「ダブリング!」


 カノは咄嗟に分身を召喚する。


「シンパシーダイブ!」


 そして私の陰に潜ったらしい。


 直感的な何とも言えない感覚だ。

 


 すると1匹の狼が高速で私を引っ掻いてくる。


『ハジ太(Lv24)からダメージを喰らいました』


 早い!しかも痛い!


 もうHPがほとんどないんだけど!


 QPは全部『ピボット避けよっと』に回そう。



 クイズ・攻撃!

 

《1918年に全国的な暴動となったものが特に有名である、過去の日本で度々起こった、ある食べ物の価格高騰をきっかけとした民衆の暴動やパニックのことを一般に「何騒動」というでしょう?》


 「米騒動!」


『「コメコメパニック」を発動しました』


 おぉ!『出題省略』のおかげでこの間1秒程度だ!


 解答と同時に空から大量の米が降ってくる。


『カノの分身が「コメコメパニック」を発動しました』


 分身のカノが私の技をコピーした!?


「な、なんだ!米!?」


 ものすごい量の米が降ってくる。


 ひぇ〜!まるで豪雨だ。


『マックス(Lv34)にダメージを与えました』

『カロイド(Lv31)にダメージを与えました』

『デリー(Lv31)にダメージを与えました』

『ハジ太(Lv24)にダメージを与えました』

 

 

 でもレベル差がすごい、1割程度しか効いてない・・・・



「弱ぇな!いけハジ太!」


「させないわ!『催眠暴走』!」


『ハジ太(Lv24)が状態異常【催眠】になりました』


「さ、催眠!?聞いたことがねえ!」

 

 カノ!ありがとう!


 ハジ太は私に声をかけた怖い人・マックスと敵対するような体勢をとる。


 私とラムちゃんは残り2人に集中しよう!


 

 『「ピボット避けよっと」で攻撃を回避しました』


 カロイドが銃を撃ってきた。


 もう一撃も当たれないからヒヤヒヤするな・・・・


《「これを見たら親指を隠せ」といわれる迷信がある、亡くなった人を葬儀場まで運ぶ際などに用いる車のことを漢字3文字で何というでしょう?》


霊柩車れいきゅうしゃ!」


『「霊柩車突撃!」を発動しました』

『カノの分身が「霊柩車突撃!」を発動しました』


「シンパシーリンク!」


『攻撃が合成されました。「霊柩車交通渋滞!!」を発動しました』


 うわ!同じスキルも合成できるんだ!


 たくさんの霊柩車が相手に衝突してゆく。


「く、車!?」


 親指ばっか狙わないであげて・・・


『カロイド(Lv31)にダメージを与えました』

『デリー(Lv31)にダメージを与えました』


 HPが半分ぐらいに減った!


 ラムちゃんが追撃に迫る。


『カロイド(Lv31)にダメージを与えました』

 


 よし!カロイドに集中しよう。


「くそ!」


 デリーが刀をラムちゃんに振り落とした。

 

『ラム(Lv15)がダメージを喰らいました』


 ラムちゃんのHPは3割ほどだ・・・・


 もう攻撃に当たることはできない。

 


 次!


 《レアクイズ!》


 それはいいから!


 《産婦人科医のロバート・ケネス・ウィルソンが撮影した写真に写っている姿がよく知られる、イギリスのネス湖に住むという伝説が伝わるUMAは何でしょう?》


「ネッシー!」


『「ネッシー召喚」を発動します』

『カノの分身が「ネッシー召喚」を発動しました』


 それもコピーできるんだ!


「キュウウウウウウウ」

「キュウウウウウウウ」


「こ、今度は何だ!!」

 

 おお!可愛い!けどでかい!


 私が全然勝負と関係ないことを考えていると、2匹のネッシーが口から水のレーザーみたいなものを撃つ。


「ぐあ!」


『カロイド(Lv31)を撃破しました!』


「う、嘘だろ・・・!?」


 ネッシーはすぐさま可愛い手でデリーをしばく。


「くっ!」


 デリーも負けじと刀を振る。


「キュウンン!」


 その隙を見てラムちゃんが『突撃』する。


 刀を振り落とされなかった方のネッシーが水のレーザーを撃つ。


 「シンパシーリンク!」


『攻撃を合成しました。「水撃」を発動しました』


 ラムちゃんの水を纏った突進がデリーに炸裂する。


『デリー(Lv31)を撃破しました!』


 すごい!

 


「お、お前ら!意味わかんねぇ攻撃ばっかしやがって!チ、チートだ!訴えてやる!」


 そしてそこからは簡単なもので、操られたハジ太を合わせて7人(匹)でマックスを撃破。


 主人が撃破されたからか、ハジ太も消滅していった。


『マックス(Lv34)を撃破しました!』

『ハジ太(Lv24)を撃破しました!』


『レベル10に上昇しました!』

『レベル11に上昇しました!』

『レベル12に上昇しました!』

『レベル13に上昇しました!』

 ――――

 ――

『レベル25に上昇しました!』


『カノがレベル23に上昇しました!』


『ラムがレベル24に上昇しました!』


『相手が 銅の甲冑 をドロップしました』

『相手が ハジマール頭巾 をドロップしました』

『相手が 憂鬱のイヤリング をドロップしました』

『相手が ハジ太の魂石 をドロップしました』

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