BL◆一目惚れしたけど男同士なので片思いを楽しみます

悠里

第1話◇出逢い&一目惚れ*圭


BL小説になります(^^)

お互い今までは女の子しか対象じゃなかった2人が、迷いながら惹かれてくお話です。 BLを普段読まない方にも楽しんでもらえたらいいなと夢見つつ。


以前に載せてたこのお話を読んでくださっていた皆さまへ💗

カクヨムではR15にも引っかからない程度の可愛いお話で書くことにしました。少し変えながら投稿し直します。(一応性描写ありには設定してありますが…可愛い感じで載せます)

可愛いお話を、こちらではお楽しみいただけたら嬉しいです♡(2024/6/8)


🌟X(@yuuri_likes)で、他投稿サイトなどもご紹介してます。



◇ ◇ ◇ ◇



  まさか。

  二十二才にして。

  

  男に 一目惚れ するなんて。

  思わなかった。



◇ ◇ ◇ ◇




 春。


 オレは織田 圭おだ けい。二十二才。

 大学を卒業して、ある大手のコンピュータシステムの会社に入社した。


 まさかの、一目惚れの出会いは、その入社式。

 受付で、封筒に入った書類と、それとは別に一枚のプリントを受け取った。一枚のプリントに、今日の式の進行が書かれているのを確認。


 到着順に端から椅子に腰かけていくみたいで、見渡すと、会場の半分位がもう埋まっていた。案内されて最後尾の人の隣まで歩き、腰かけようとしたその時。つる、と一枚のプリントが手から滑った。


 あ、やば。


 先に座っていた男の人の上にプリントが落ちそうになって、慌てて動いた瞬間。あろうことか、持っていた封筒の中の書類が、一気にざざーと零れ落ちていった。

 オレの手に残ったのは、中身のない封筒のみ。


「……っと……?」


 隣の彼はそんな声を出しながら、内何枚かを咄嗟に受け止めてくれた。

 が、それ以外は、見事に下に散らばった。


 一枚落ちただけなら全然良かったのに。

 オレが焦って下手に動かなきゃ、プリント一枚で済んだのに。


 封筒の中身が全部滑り落ちるって……。

 恥ずかしすぎる。 迷惑すぎる。


 これから、一緒に働くかもしれない人なのに。

 うう、オレ、最初から何やってんの。


 思わず、その場から消えてしまいたい衝動に駆られながら。


「……っごめ――――……」


 言いかけたその時。


 迷惑にも、書類が頭の上から流れ落ちてきたその彼は。

 何故か、くっ、と笑い出した。


 え?


「……あ、悪い――――……」


 すぐにそう言って、オレから顔を背ける。

 手を口元にあてて、笑いを噛み殺そうとしているみたいだけれど、それでも我慢できないといったように、肩を震わせている。


 唖然。


 ……そんな、笑わなくても良いのでは……?


 顔を背けたままの彼にしつこく笑われて、呆然と動けずにいると、周りの人達が落ちた書類を拾い上げて集めてくれているのに気付いた。慌ててオレも、自分の足元に落ちた書類を集めながら、拾ってくれている周りにお礼を告げていると。


「……とりあえず、座ったら?」


 やっと、笑いを収めた隣の彼がそう言った。

 オレが下の書類を拾っている間に、周囲から書類を受け取って、一つに集めてくれていた。


「大丈夫?」


 言ってはくれるけど、またクスクス笑ってる。

 もう、どんだけ笑うんだ……と、少し面白くなくて。


 さっきまでは、笑って震えてる肩しか見えなかったから。

 どんな顔してんだろ、と、隣を見たら。

 すぐ近くで、ばち、と目が合った。


「――――……」


 う、わ……。


「……どした? 大丈夫?」


 固まったオレに、瞳を優しく緩めて、ふ、と笑う。


「……っだ、いじょうぶ……」


 オレは何とかそう答えてから、顔を真正面に向き直した。

 拾い集めた書類をとんとんと封筒の上で、ひたすら整える。


 明らかに、オレ、挙動不審。


 ……大丈夫じゃない。

 ヤバい。


 ……むちゃくちゃ、カッコイイ。

 それはもう、今迄見たことが、無い位。……何、この人。


 芸能人にも、他の誰にも、絶対負けないと思う位。

 とりあえず、オレが今迄の人生で見てきた中で、ダントツ、カッコイイ。


 ……ていうか。

 男が、どれだけカッコよくたって、関係ないはずなのに。


 え、何で、こんな、オレ、ドキドキしてんの。

 おかしくない?


「おだ けい、て読むの?」

「え」


 急に自分の名が呼ばれて、オレは、咄嗟にまた隣に顔を向ける。

 相手の視線は、オレの手元の封筒に書かれた、名前に向けられていた。


「あ、そう。 おだ けい――――……て、読む……」


 答えはするけれど――――……。 

 その顔の破壊力に、もはや抗えず、呆然。


 え、何だろう。

 ……本当に、カッコよすぎる。


 形の良い眉に、印象的な瞳。

 鼻筋通ってて、唇も形よくて、髪形も完璧。声までイケメン。

 スーツもばっちり似合ってて。非の打ち所が、無い。


 今朝、新品のスーツが何だか浮いて見えて、七五三みたいだな、と自分に苦笑したことを思い出す。


 なんか、全然違う。似合うというのか、着こなしているというのか。

 ……全部カッコイイな。


「とりあえず、これ」


 オレが、自分の持っている書類を揃え終わったのを見計らって、彼は持っていてくれた書類を差し出してくれた。


「あ、りがと」

 激しく、ドキドキしながら、受け取る。


 ……オレ、絶対おかしい。ヤバい。

 何で、男にこんなにドキドキしてんの?






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