1.『令和六年、桐の小箱』(著:大田康湖)

 <作品URL>https://kakuyomu.jp/works/16818093073341979521

【ジャンル】現代ドラマ 【完結済】2,121文字


 二回目は、先着順ではなくランダムでやらせていただきます!

 こちらの作品は、今年のKACで『箱』をテーマに書かれた作品です。


 文章は、一人称であるものの、とても落ち着いたテイストで好感がもてます。何より、語り部である主人公の年齢と地の文に違和感がありません。

 昔……って言うと私がすごい年寄っぽいから……、二十代の作家さんが書かれた小説を読んだ時、主人公が中年男性なのに、二十代の若者にしか感じられない地の文を書かれていて、すごく違和感がありました。

 やはり人間、自分の年齢以上の主人公を書くことは難しいと思うのです。

 もちろん、中には、たくさんの文献や小説を目にして、自分の年齢以上の主人公でも自然に書かれる作家さんはいらっしゃるでしょうけども。

 私は、自分の年齢より上の主人公って書けませんねぇ~。

 主人公以外の登場人物としてなら出しますが、それでもやっぱり実年齢に合ってないんじゃないかって不安になります。


 まぁ、筆者さまのご年齢は、さすがに分かりませんが……とても自然で無理のない文章だと感じました。 


 内容は、父親と血が繋がっていないことを知った、かつての自分を回想する主人公の独白です。

 『箱』というテーマから、へその緒が入っている箱を連想し、そこからシリアスな展開へと話を膨らませて、主人公の心情までをこの短い文章の中で綺麗に表現されている巧みさは、素晴らしいですね。


 そういえば私は、『箱』で何を書いたんだっけ?

 と思い、見て見れば……


 📖『【KAC20243】落しもの』

 ⇒https://kakuyomu.jp/works/16818093073387818241


 そうだそうだ、こんなの書いてたわw

 ちょうど季節が春だったのでね。

 でもって、800文字ピッタリ賞を狙って書いていたので、800文字です!


 ……話が逸れました💦

 私がちょっと気になったのは、「一希君がいなかったら、私は君や真優美さん、佳枝さんと出会えなかった。」という父親のセリフ。

 そうだと判断する材料が不足しているように思えました。

 私の読み込みが浅かったら申し訳ありません💦

 「一希君がいなかったら、私は君に出会えなかった」というなら分かります。

 一希君(主人公の本当の父親)を介して父と母が出会ったのでしょうか?

 佳枝さんも、父と母が結ばれて生まれたんですよね?

 なので、そのあたりのことが分かるような描写があると良いかなと思いました^^


 あとは、登場人物の名前がたくさん出てくるので、この文字数から考えると、情報過多になっている印象を受けました。

 「翔」は「息子」、「関本翠」は「息子の婚約者」とかで足りるし、「白旗南海夫」は「友人」でいいんじゃないかなぁと。他に友人A、Bと出てくるなら固有名称が必要だとは思いますが、一人しか出ていないので。


 この作品で重要な名前は、主人公である「鳥居広希」と、実の父親である「横澤一希」であって、あとは、そこに付随する「横澤康史郎」「横澤柳子」「真優美」「道也」くらいが書き分けられていれば、充分読者に伝わると思います。

 「高橋周央」という人名も、手紙の差出人として一度登場するだけなので、特に明記しなくても内容は伝わりますよね。

 短い文章の中で、登場人物が多くなりすぎると、要は満員電車みたいなもので、誰が誰で、筆者が本当に伝えたい人物の名前が読者に伝わりにくくなると思うのです。


 目安として、ショートショートくらいの内容だと登場人物は、2~3人、多くて4人くらいかなぁと私は考えますが、もし、他に良いご意見をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご遠慮なくコメントで教えて頂けると助かります!


 ただ、こちらの作品は、どうやら本編ありきの作品のようにお見受け致しましたので、それで登場人物の名前が全員設定されているのかもしれませんね。


 それから、細かくて恐縮なのですが……「息子の名前を引き付いでくれただけで十分だ」という祖父の言葉。

 「一希」⇒「広希」で、希望の「希」の文字を引き継いでいる、ということですね。

 「息子の名前を引き付いで」と書かれてあると、同じ名前なのかな、と思ってしまうので、「息子の字を引き継いで」(「引き付いで」ではなく「引き継いで」の方がいいかと思います💦)とかの方が個人的にはしっくりくるかなぁと思いました。

 が! これらは、あくまで私個人の感想ですので、筆者様のお考えが別にあるようでしたら、是非教えて頂けると助かります。


 レビューを書かせて頂けるなら、キャッチコピーは……


 『箱の秘密を知ってしまったら……もう知らなかった時の自分には戻れない。』


 こちらで、いかがでしょうか?


 レビューにアドバイスのような内容は書きませんので、ご安心ください。


 もし、ご不快に思わせてしまったら、大変申し訳ありません💦

 コメントにて、この感想へのご感想を頂けると幸いです(*ᴗˬᴗ)

 参加を取り下げる場合は、「削除希望」とだけコメント頂ければ、こちらの感想は非公開とさせて頂きます。

 宜しくお願い致します。



 以上。


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