第47話 勇者の死


約束の三か月が過ぎ今、俺はオークの集落にノアと一緒に来ている。


本来は俺一人で来る予定だったが、どうしてもノアが来たいと言うので一緒に来た。


ちなみにノアは魔王バージョンだ。


「ムッ……ソチラハマオウサマカ? コワイ……ソレジャカエスゾ」


そういうオークキングは少し顔が青い。


ノアを連れてくるのは少し嫌だったが、オークのこの態度、これなら大丈夫そうだ。


しかし、これが苗床になった女の末路か。


奴隷としても二束三文。


元がどんな美女でも価値はマイナスになる。


だから見つけたら『殺してやる方が良い』そう冒険者達に言われている。


その意味が良く解った。


「ああっううい」


「うわわうわ?」


「うふふふふっあははははっ」


完全に精神が壊れている。


壊れているのは精神だけじゃない。


体も完全に壊れている……


元から四肢切断状態だったが、オークの子供はすぐにお腹の中で大きく育ち、生まれるからお腹の皮が完全に伸びきった状態だ。


妊娠、出産した状態だとお腹の皮が伸びきった状態になるが......それを繰り返した結果……完全に伸びきって四つん這いで地面につく位お腹の皮が伸びきっている。


それに問題は下半身の穴だ。


大きなオークの物を突っ込まれた状態だったからか、両方の穴がぽっかりと開いた状態に見える。


どう見ても拳位は楽に入りそうだ。


この大きさの穴じゃ、人間じゃだれも満足しないだろう。


と言うか、バッチくて誰も使いたいと思わない筈だ。


それに臭いもオークの臭いが染みついて家畜臭い。


もう既に魔族の冒険者ギルドに依頼を出して此奴らの記録水晶を安く売り裁き、聖教国や王国、帝国に沢山の数を流通させた。


『聖女、賢者、剣聖、オーク凌辱』というタイトルで売られ世界中に流れてしまっているから……もし体が治っても、汚い物を見る目で見られるだろうな。


此奴ら三人への復讐はもう終わった……問題は……


「リヒト、これで満足か? もうそいつら壊れちゃったんだけど? もしかしてその状態で飼うのか? そこまで壊れたら俺は欲しくないけど……リヒトが欲しいなら、また愛人としてやろうか? もしかしてだが、リヒトは壊れた女が好きなのか? 」


駄目だ、此奴……どうやっても壊せる気がしない。


「リヒト、我が変わろう……少し席を外れておれ」


「解りました」


ノアに返事を伝えると俺は少し席を外した。


◆◆◆


「のう、ライトお前はリヒトが好きなようじゃのう?」


「当り前だ……彼奴は俺にとって、親友だからな」


「そう……だから、私達にこんな事したんだね! リヒトの為ね……」


「お前誰だ……まさか……」


「ソニアよ! 残念ねリヒトが好きなのは私なのよ! その目、本当に腹がたつわ! その目に宿る力で魅了を使ったのね……その目奪わせて貰うわね……」


今迄と違って明らかに動揺しているのぉ~


「ぐわぁぁぁぁーー止めろーー」


ソニアはライトの目に二本抜き手で指を指し込むと目玉をくりぬいてしまった。


「ふふふっ、いい気味だわ」


「次は私の番だね」


「ううっううっハァハァ……どういう意味だ?」


「僕はケイト、忘れたの?……目はソニアが奪っちゃったか……僕はこれを奪っちゃおうかな」


「ぐわぁぁぁぁぁーー痛い、痛いーーっやめてくれー」


ケイトも躊躇がないのぉ……足で玉と竿を踏み潰しよった。


「今度は私の番なのかな? これもう処分して良いんじゃないかな? もう反省する事も無さそうだし……リタ的には殺しちゃった方が良いと思うんだけど……まぁいいや。 取り敢えず、私は鼻と耳でも削いでおこうかな?」


「……」


リタが耳と鼻を削いだけど……もう何も言わんのか。


恐らく痛覚遮断のスキルでも使ったのかのぅ。


「貴様ら生きていたのかーーっ! また壊してやる、 殺してやるぞ! 俺達の友情に入ってくるなーー!」


まぁ、こうなるよな。


「馬鹿じゃない?」


「馬鹿だな」


「馬鹿だ」


「なんだーー俺は勇者だぞ……必ず壊してやるからなーーっ、いや生ぬるい殺してやるーー!」


そういう事は安全を確保してから言うもんじゃ。


「「「何度死んでもリヒト(くん)(お兄ちゃん)は私達の物だよ! 嫌われているのが解らないのかな? 良くもやってくれたわね……生かしておくと思う?」」」


剣を抜きおったか。


「俺は勇者だ……殺したら人類が困る」


「「「魔族側だから関係ないから!」」」


そう言うと恨みを込めて首を跳ねよった。


一緒の体だから解る……


『邪魔者が死んだ』『リヒトは永遠に私達のもの』それが流れ込んできた。


元魔王の我が一瞬恐怖する位のドス黒い感情だった。


「リヒト終わったよー! ゴメン、殺しちゃった」


「酷い目にあったの思いだして、衝動で殺しちゃたよ!」


「だけど、これで安心だね! リヒトお兄ちゃん!」


人一人殺して良くニコニコしながらリヒトを呼べるもんじゃ。


「かなり酷い事をされたから仕方ないか……ライトは死んで当然の事をしたんだから」


リヒトも全くブレないのう。



◆◆◆


ライトは死んだ。


流石にこの状態から蘇るとは思わないが、念には念を入れてバラバラにしてオークに肉としてわけてあげた。


流石にオークの胃袋からの復活は無いだろう。


あとは……この三人をどうするかだな。





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