Q.大好きなRPGゲームの世界に召喚されて喜んでいたらメインキャラクターたちの恋愛感情が全て演技だと知ってしまったのですがどうするべきですか?

かとれあ39

第1話 Q.ゲームの世界に召喚されたのですがどうするべきですか?

「おりゃ。おっ、あたった。この距離でも狙撃できるんだ…」


薄暗い部屋の中でゲームをしている少女がいた。

彼女の名前は星川美希。

閉まったカーテンの隙間からは朝日が少し差し込んでいる。


「うぇーい。優勝」


細長い棚の上にのったテレビには、シューティングゲームのリザルト画面が表示されている。


「ふーん、『キル数28キル、アシスト3人』かぁ…」


すこし顔を曇らせる。


「30キルはいきたかったかな。さて、学校か…」


美希は立ち上がると洗面所に向かった。

顔を洗い、歯磨きを終えるとふらふらと寝室に戻って、制服に着替える。


「制服ってなんでこんなに着るのが面倒なの?

というかもう時間か。行かなきゃ…」


美希はスクールバックを持って家を出た。


「いってきます」


朝日がとにかく眩しい。

まだ5月の中間テストが終わったばかりなのに気候は夏に近かった。

美希は部活に力をいれている私立立川中央高校に通っている、2年生。部活は演劇部だ。




予鈴がなるとがやがやしていた教室がすっと静かになった。先生がやってきて喋りだす。

みんな疲れたような顔をしながら話を聞いた。

朝礼が終わると、また教室ががやがやしだす。




やがて授業がおわり、放課後になる。

放課後は部活だ。

美希は部室に向かった。


「ふぃー…ついた…」


美希が部室につく頃には部員が全員そろっていた。


「やっほ、美希! ちょい遅いよ〜」

「そうそう、今日は次の話の打ち合わせだったでしょ? 配役も今日発表するんだから、気合い入れてこーよー」


3年の部員たちが笑いながら言う。


「遅れてすみませーん」


美希が言うと今度は1年の部員たちが言った。


「大丈夫ですよ、美希先輩!」

「そうです! まだ一応5分前です!!」


その言葉を聞いて、3年の部員が時計を見る。


「ほんとじゃん! みんな来てるからてっきり時間かと思っちゃった!」


部員たちみんなが笑い合う。

しばらく笑って、それから部長が言った。


「まあ、ちょっと早いけどそろってるし。始めよっかね〜! じゃあ、配役を発表しようかな。主演はもちろん美希だよ! つぎ、メインキャラは……」




部活が終わると美希はいそいそと家に帰っていく。


「疲れたー」


美希は家につくと風呂に入り、パーカーに着替えてRPGゲームを準備した。


「『ラブ&ピース』は何回やっても飽きないんだよね」


ゲーム「ラブ&ピース」を起動する。

すると突然、ゲームと繋いだテレビの画面が光りだした。


「うわっ。なにこれ眩しい」


意外と冷静なトーンで美希が言う。

それを全く気にしないかのように美希の視界は真っ白になる。




気がつくと美希は何故か広い部屋の中にあるアニメかゲームで見るような魔法陣の上に立っていた。


「え? えっ? なにこの状況。魔法陣って…中二病じゃあるまいし。えー…」


美希が困惑していると目の前にある大きなドアが開いて、いかにも魔法使いな服装をした人たちが入ってきた。そして美希に近づき、言った。


「おお!召喚魔法は成功したのか!!半年かけて魔法を構築した甲斐があった!!」

「まさか本当に召喚できるとは!!」

「たしかに異世界の方ですわ!見たことのない格好をしておりますもの!!」


3人の魔法使いが言ったことから美希は考えた。


(うーん、これは異世界に召喚されたやつか?だとしたらどんな世界だろう…『ラブ&ピース』の世界だったり……なんて、そんなわけないか……シンプルに面倒なことに巻き込まれたな………

わからないなら、とりあえず、誰かに聞いてみるべきだよね…)





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はい、というわけではじまりました!

「大好きなRPGゲームの世界に召喚されて喜んでいたらメインキャラクターたちの恋愛感情が全て演技だと知ってしまったのですがどうするべきですか?」

第1話でした!!


これからどんどんこの作品を面白くしていきたいとおもっていますので!

応援よろしくお願いします!!


第2話の公開予定日は6月15日 21時00分です!

お楽しみに!

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