第2話:御杜子佐姫(おとごさひめ)
「私はこの地方出身の姫神なの」
「今でも伝説として伝わってるみたいだよ。
「ちなみに、私のお母様は古事記なんかに出てくるオオゲツヒメって言う
んだけど・・・知ってる?」
「古事記は読んだことあるけど、その記憶は定かじゃないな・・・」
「いきなり姫?神って・・・なんかスケールがでかくなってないか?」
「でさ、君・・いつからそこにいたのかな?」
「夕べから、あなたの枕元にいたよ」
「あなたの熱を下げたのは私だから・・・」
「細かいことを言うとあなたがこの旅館を訪れた時から私、あなたを見て
て、それでね一目惚れしちゃってるし・・・それからずっとあなたを見てるよ」
「一目惚れって・・・いったい君は何者?」
「っていうかさ・・・女神って言う割になんで女子高生の格好してるの?」
「おバカさんね」
「それは昔の衣装じゃ今の時代にそぐわないからじゃないの・・・」
「ああ、たしかにね・・・」
「自己紹介するとね、私は「
ちまたでは「
他の神様や妖怪ちゃんたちからは「
体が小さいからね・・・145センチしかないからね、私・・・、
「小玉・・・ちゃん?」
「だから、あなたが旅館を後にする時、私もあなたについていくから」
「え、なんで?」
「一目惚れしたって言ったでしょ」
「それってあなたについていくってことに対する立派な理由でしょ」
「自分の彼女が女神って迷惑?」
「か・かのじょ?・・・かのじょって俺、まだなにも認めてないし」
「いいじゃん、そんな細かいこと・・・押しかけ女房と一緒で押しかけ彼女だよ」
「いやいやいや、旅館の人たち全員で持って俺を担いでんだ」
「君はやっぱりこの旅館の娘さんでさ」
「みんなで寄ってたかって俺をダマしてる?」
「そういうこの地方に伝わる風習とか、イベントとか?サプライズとか?」
「違いますぅ〜・・・どう言ったら信じてくれるかな〜」
そういうと小玉ちゃんは制服から昔風の着物に綺麗な羽衣をまとった
女性に変身した・・・。
それはそれで目を見張るくらい豪華絢爛で吉原の花魁さんみたいだった。
おもわず大志はうっとりして(綺麗だ・・・)って思った。
(まあ、制服着てる時でも綺麗っていうか、可愛いかったけど・・・)
「こう言うの、なにかの絵巻とか墨絵とかで見たことない?」
「ああ・・・あるね・・・まるで花魁さんとか天女さんみたいだ・・・」
「そうそう、それそれ・・・天女ちゃんよりは位は高いけどね」
「信じてくれた?」
「驚いたけど・・・まだ、にわかには・・・」
「ん〜もう・・・じゃ〜もう一個・・・これでは?」
そういうと小玉ちゃんは天井に届くくらい、ふわ〜っと宙に浮いた。
「これなら、どんなおマヌケさんでも信じるでしょ」
大志はその光景をバカみたいに口をポカンと開けて呆然とみていた。
第3話につづくのじゃ。
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