彼女が女神って迷惑ですか?。御杜子佐姫(おとごさひめ)

猫野 尻尾

第1話:旅館に現れた女子高生。

彼の名前は「出雲 大志いずも だいし

現在25才・・・フリーライター(主に地方の伝承・伝説なんかを記事にしている)

身長は175センチ・・・一応イケメンってことにしておこう。


大志は雑誌の取材で島根県の「石見地方」に来ていた。

季節は初夏・・・その日はいつになく暑い日だった。

ひととおり観光協会や資料館などを巡って昔話を伝承してるお年寄りの

話を聞いたりと・・・取材して回った。


取材を済ませ夕方予約しておいた旅館を訪ねた。

旅館って言っても古ぼけた茅葺屋根の歴史がありそうな古民家って感じだった。


ビジネスホテルみたいな無機質なホテルに泊まるよりずっといいと思った。

まあ、泊まれさえすればいいと大翔はその旅館に泊まった。

旅館の中をみて回るだけでも、なにか収穫がありそうだった。


だが、その夜、大志は熱を出して寝込んだ。

医者を呼んでもらったり看病してもらったりと旅館の女将さんに迷惑を

かけたが、おかげで一晩のうちに熱は下がった。


で次の朝には気持ちよく目覚め障子から差し込む日差しで今日も

いい天気になりそうだなって大志は思った。


そしたら・・・


「熱、下がってよかったね」


って誰かの声がした。

びっくりした大志は障子の反対側、襖があるほうを反射的に見た。


すると、そこに女子高生らしき女の子が正座してこっちを見ていた。


「誰?」


「え?いつの間に?」


なんでその子が女子校生だと思ったかって言うと彼女が高校の制服を着て

いたから単純にそう思ったからだった。

たしかに女子高生にしか見えない。


「あの・・・君、この旅館の娘さん?」

「いつ部屋に入って来たの?」


「旅館の娘じゃないよ、まあでも・・・遠いご先祖にあたるのかな?」

「はるか昔からずっとこの旅館にいるからね・・・」


「ご先祖って・・・君、いつの時代の人・・・いったい何歳?」


「女神に歳なんかないの・・・」


「女神?・・・女神って言った?・・・おかしな子?」


「そうだ・・・この旅館って古そうだよね、君ってこう言う昔から

ある古民家なんかに住み着いてる妖怪かなんかだったりして・・・」


大志は冗談半分でそう言った。

伝承や伝説に興味がある大志なら座敷わらしのことくらいは知っていた。


「君って、あの古い屋敷なんかにいる座敷童でしょ?」


「ぶっぶ〜」

「妖怪じゃありません・・・まあ妖怪にもお友達はたくさんいるけど」


「旅館の娘さんでもない・・・妖怪でもない・・・・誰?」

「俺・・・まだ熱から覚めてないのかな・・・」


「元気そうな顔してるよ」


第2話につづくのじゃ。


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