第4話
「嶋野さん一旦整理させて」
「うん」
今起きていることが自分自身が全く整理できていない状態になあった。
あのクラスでもNO1人気の嶋野愛から「付き合って」と急に言われて動揺しない男がいるだろうか
しかも毎日教室の隅で生きているような陰キャ男子生徒が。
これは現実だろうかと思って自分の頬を叩いたりしてみたけど、夢ではないらしい
しかも遊びに行こうみたいなノリではなく恋愛的な意味の付き合ってだった。
松岡瑞樹は高校2年生になって生まれて初めて告白されました。
しかも相手は嶋野愛です。
僕はこのまま死ぬんでしょうか
「松岡くん?」
「嶋野さんがいっていることは理解できたと思う。。。でも俺と嶋野さんってちゃんと話したの今日が初めてだよね。その。。。お互いのこと全然知らないのになんで?」
「私のことをちゃんと見てくれていたし、私のことを認めてくれたから」
「それだけ?」
「あとは直感でこの人好きだなと思った」
嶋野さんが思ったよりも単純な人だったことに驚きつつも、嶋野さんの頬は少し赤くなっていていつものクールな嶋野さんとは別人のような雰囲気になっていた。
それをみたときに「これ本気のやつだ」と整理がついた。
「急に言われて嬉しいよりも驚きのほうが上回っていて整理はできたけど頭では冷静に考えれてないかもしれない」
「そっか。。。」
嶋野さんの表情が明らかに暗くなった。
なんかいつも違う感じで可愛いなと思ったのは内緒である。
「だからさ!!今日の放課後公園でゆっくり話さない?」
今の状況には驚いているけど、断じて嬉しくないわけではない。
だってあの嶋野愛から付き合ってと言われたんだ。
嬉しくないなんて言われたら俺の死後は天国ではなく地獄になるだろう。
公園につくまで少し考えさせてくれる?
もう少し冷静に考えたい。
「わかった。ならA公園に集合ね」
嶋野さんと公園で会う約束をして俺は急いで家に帰り準備をした。
その間に嶋野さんの「付き合って」が頭の中で何度も浮かんできたが
浮かれる気持ちを抑えて冷静に考える努力をした。
「嶋野さんこっち!」
「松岡くんのお家ってこの辺なの?」
「そう。ここから5分ぐらいのところにある。一回帰って私服に着替えてきた」
「ここの公園って人が少ないね」
「この辺も過疎化で小さい子供も減ってお昼はおじいちゃんおばあちゃんのたまり場みたいになっているから夕方は人が少ないんだよ」
「そうなんだね」
。。。。。。。。。
「そ、それで付き合うって話だけど、嶋野さんの中で気持ちは変わっていない?」
正直今でも信じることができてない。
嶋野さんと話してかわかうようなことを言う性格ではなさそうだけど
あの嶋野さんが陰キャに告白するのをそのまま信じるほど、俺の頭の中はお花畑ではない
「うん。私の気持ちは松岡くんとお付き合いしたい」
「そっか。俺も嶋野さんみたいに告白してもらってすごく嬉しい」
「なら付き合ってくれる?」
「でも不安がないわけじゃないよ。だって俺からしたら高値の花だと思っていた嶋野さんから俺みたいな陰キャと付き合うって不釣り合いな部分はあるし、お互いのこともよく知らないし」
「そっか。。。」
嶋野さんが下を向く
「でも!!」
嶋野さんが顔をあげて目があう
「俺は不釣り合いでも、嶋野さんのことを全然知らないけど、これから知っていけばいいのかなと思っている。それに嶋野さんもこれから俺のことを知ってもらいたいと思う」
恋愛は最終的には結婚か別れるの2択しかないとアニメで言っていた。
最初にお互い両思いから始まった恋愛も些細な事で終わりが来ることもある。
俺と嶋野さんの恋愛の始まりは普通の人とは違うのかもしれないけど、それでもいいような気がした。
今現在嶋野さんは俺と付き合いたいと思ってくれている、俺も嶋野さんと付き合いたいと思えた。
結論はこれだけでいい。
そしてお互いがお互いのことを知った時にどうなるのかはそん時にならないとわからない。
「だから俺も嶋野さんと付き合いたいです。よろしくお願いします」
。。。。。。。。
「あの嶋野さん?」
嶋野さんは下を向いて無言になる
あれ、なんか言葉間違えたかな
「み、みっちゃんって呼んでいい?」
「うん。俺のこと?みっちゃんって呼ぶ人はいないけど、嶋野さんが呼びたいように呼んでいいよ」
「私のことは愛って呼んでね」
「善処します」
俺と愛の交際はこの時から始まった
「ふ~~~」
「どうしたの?」
「緊張した?」
「俺も緊張したよ。告白なんかされたこともないし、嶋野さんに急に告白されてどっきりかと思った」
「嶋野さんじゃなくて」
「愛」
「ふふふ」
名前を呼ばれてニヤニヤしている。可愛すぎかよ
「ねぇみっちゃん?」
「なに?」
みっちゃんと呼ばれるが照れくさい
「ぎゅーしていい?」
「いいよ?」
「みっちゃんんん」
「うっ」
一瞬何が起きたのか理解できなかった。
気づけば愛が俺の胸に思いっきり飛び込んできた。
そして俺のぎゅーとしているのがクラスで才色兼備で完璧な女の子と言われている嶋野愛
「みっちゃんよしよしして。私頑張っているの」
「うん。。。よしよし。なんか雰囲気変わった」
「だってみっちゃんと彼氏彼女の関係になったから甘えていいかなって」
「確かに甘えていいけど。ギャップがすごくて」
「こんな私嫌?」
「嫌じゃない。愛は彼氏ができたら甘えるタイプなの?」
「わからない。だって彼氏できたことがないから」
「えええええええ。そうなの?」
「うん。だから私のこといっぱい甘やかしてね」
「努力する」
「どちらかというと本当の私はこっちなんだけどな。おばあちゃんとかにはいつもよしよししてもらっていたし、みっちゃんってなんかおばあちゃんみたいな優しい雰囲気があるから、つい甘えたくなるんだよね」
「そうなんだ。でもびっくりはしたけど、今の愛が俺は好きかな」
「へへへ。これからよろしくね」
このときに初めて表と愛と話したような気がした。
愛と付き合って一番の驚きは意外に「ポンコツ」なところ
すぐに甘えん坊になるし、皿洗いしたら落としそうになるし、洋服は濡れているし、自転車をコンビニに忘れてくるし、靴下が右と左で柄が違っていたりと、他にもポンコツエピソードは多数ある。
今まで自分の中に描ていた「嶋野愛」という女の子のイメージは俺の中で表ではポンコツ裏では才色兼備で完璧な女の子というイメージに変わっていた。
まぁそれでも可愛くいから許せてしまうし、そのポンコツですら愛おしく思ってしまう。
それと付き合った時に二人で決めたことだが
俺たちが付き合っていることは基本的には内緒の方向性でいくことにした。
学校の生徒の中で愛はアイドル的な存在で、俺みたいな陰キャと付き合っていることがばれたらどうなるかわからない。
だから学校では嶋野さんと松岡くんで学校の外では愛とみっちゃんで呼び合うことになった。
愛はそれに反対したけど、なんとか納得してくれた。
これが俺と愛が付き合うまでの話である。
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