06話 知力、体力、破壊力+1!
77だとグルと呼ばれる人面狼のひと噛みで死んでしまうらしい。
いや、普通に場所が悪ければ死なないか?
もしかして蛮族ではなくセ○ール集団なのか?
「大丈夫だ。弾丸は貫通したから当たったうちには入らない」とか言うような…いや、この人達死んでも復活できるからノーカンとか言って普通に襲いかかってくる人達だったわ(震え声)。
「生命値や筋力、敏捷から考えて5歳女児もしくは余命幾許もないご老体のような状態なのですが」
そこまで酷いのか…まあ、俺12歳ですし?昨日は3歳児だったから問題なしだな。
きっと成長するだろう。
……するよな?
「生命値がほんの少しだけ改善されているようですので安静にして回復に専念してください」
「ちなみに生命値130はどれほどでしょう「8歳女児ですね」」
間髪入れずに言われた。
しかもめちゃくちゃ真顔だった。
術についてのレクチャーを受けた。
儀式法は基本は破邪・回復・活性の三本柱であり、自爆に関しては一応禁じ手だったらしい。
だったらしいと言うのは2~300年前にこの島を狙い大弾圧が起きた際に時の法国の法王が「今この時より禁じ手は奥の手とする」と宣言したため囚われた者や処刑されそうになった者達が次々と自爆。喧嘩を売った国は跡形も無く壊滅したとの事。
禁じ手さんが封じ手通り越して奥の手、即ち必殺技になったせいで大惨事になってしまったと。
マジでなんて事するんだその国は!…と、思いその国のことを詳しく聞くと大門作って持ち去られた国とのこと。
それ、大門のことずっと根に持ってやったんじゃないかなぁと思うんですよ。
と言うことは王国か帝国の前身って事か!?
……上の大陸行きたくないなぁ。
そんな余談は良いとして、この破邪・回復・活性について疑問がある。
回復と活性、同じじゃね?
そう思って聞いたら回復は部位欠損や損壊関連の修復を回復と言っているらしい。
活性に関しては各種機能の活性化や回復速度強化等を指す。
破邪は…一番扱いがぞんざいだった。
モンスターの中で見えないモノを見えるようにしたり、結界を張ったりするもの…だそうだ。
多分それ以外も色々できると思うんだが、脳筋だからなぁ(褒め言葉)。
ただ、儀式法と言われるだけにきちんとした大規模な儀式魔法のようなものがあるのだろう。
さて、続いては自然法だが、詳しいことは分からないらしい。
ただ、自然精霊召喚法として風・水・大地・草木・火の精霊がいて、それらに自然法を使い使役するのだそうだ。
短縮詠唱で使役する方法から長い長文で強大な精霊を呼び出すものまで多種多様だそうだ。
ただ、精霊との相性やそれぞれにあった場所などで無ければ力を借りることが出来ないし、特殊条件下では呼ぶことすら出来ないらしい。
その特殊条件の1つはダンジョン内。
従って王国の自然法使いはダンジョンには入らないらしい。
最後、魔技法だが、どうもこの魔技法、思い切り発展途上らしい。
と言うのも汎用性があるのは分かっているものの、先にある2つの法の劣化版以下らしく、精霊は呼べないがほんの少しだけ風・水・大地・火は使える程度。
破邪や欠損修復や蘇生は無理だが、軽傷の治癒や筋力増強などの強化は可能…レベルらしい。
まあ他にもあるとは思うが恐らく秘伝の魔技法でも自然法の通常レベルより少し下くらいだろうとバッサリ。
研究する人はいないのかというと、
「居るには居るが、魔技法では無く技術を使えばそれ以上のことが可能なので廃れている」
と言われてしまった。いや、それはあわれすぎないかな?
少なくとも治療関係でもう少し頑張って伸ばそうよ。もしくは技術に魔技法を追加するとか…諦めんなよ、諦めんなよ…
儀式法と魔技法にも適性があるとのことだったので説明序でに儀式法の簡単な実技を見せてもらう事になった。
あまり幸いとは言い難いが、訓練で怪我を負っている方々がいるので回復術などを見せて貰う事になった。
───普通に腕切断されているんですが?
「回復には欠損部を繋げる方法と繋げずに戻して修復する方法の2つあります。繋げる方法の方が労力は掛かりませんが、往々にして部位が無い等ありますので今回はこのまま修復を行います」
そう言って神官長が手を翳すと、側にあった腕が白金の粒となって消えていき、その粒は欠損部へと異動する。
そして大気中からも白金の粒は集まり、それらが腕を形成していく。
ああそうか。正しく修復なのか。構成パーツを創り直し結合して元の状態に戻す。
元々この世界で構成されたモノだから間違いなく修復だ。
…となると俺が受けたものは修復・復元系ではなく強化・促進系の回復術か。
細かくカテゴライズしていないか、無意識に使い分けているか。
だいたい物理で片付ける傾向にあるような神職者だからn…
ドォォンンッッ
訓練場からもの凄い音がした。
「何事!?」
「ああ、あれは神職者特有の範囲攻撃法です。前面に結界壁を形成し、それを全力で殴る。もしくは蹴ることで結界壁を前へスライドさせます。
そうしたら眼前の敵は全て結界壁に押し潰される…集団で現れるモンスター達に有効なのですよ」
「そうですね。私もこの技が得意でして」
神官長方が朗らかな笑みを浮かべながらおっかないことを言っている。
要は「城壁を前へスライドさせて攻撃すれば面攻撃になりますよね?」と言っているわけで…
流石脳筋。考えた上で恐ろしい攻防一対の手段を考える…
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