雑多まとめ

憧憬

 ある空が晴れた日、ぼくは目を奪われた。

 雲の割れ目から零れ落ちる光のように、ただ美しいと感じる存在がそこにはあった。

 ぼくは、それを形容する言葉を持っていなかった。

 言葉を模索するように、ただ顔を動かして、その一瞬に、それはぼくの前から消えてしまった。

 捉えどころのない、ただ「ある」モノをそれでも掴みたいと思った。

 また、いつかそれは現れてくれるのだろうか。

 それとも、あの一瞬だけ、ほんの気まぐれのようなひと時だけが、凡人のぼくに許された邂逅の時間だったのだろうか。

 どうか、またぼくの前に。

 その時は、形容する言葉をぼくは見つけよう。

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