/私のすべてはあの時に。

…そこの君。


君が私の全てだった。

そう。全て。


私は今までのループの中でいつも君を見ていた。

ループが始まる時。

必ず見ていた。


なぜ気づかないんだろう。

それは…

あまりにも君が身近すぎたからだよ。


必ず見る存在って見落とす。

そして慣れる。

見慣れた光景。

見慣れた選択肢として。

そして、攻略済みの選択肢と勘違いして。


身近なものほど失うものが多いというのはこういうことだね。

私は…まだ救いがある方だと思う。


それはなぜかって?

ループしてるからだよ。


普通の人はループできない、コンテニューができない、セーブができないクソゲーを歩んでいるから。

セーブ機能がない人生というゲームをしているから。


私に課せられた役目は…

君がなんだよ。

私が君を必要としている。

私が君を欲している。


だから私が選んだのは…









「そこの君。私を助けて…」と。








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