第10話 10年ぶりに再会した幼馴染、スカートをめくられる。
ふぁああ! よく寝た。
俺は机に置いてある時計を見る。まだ7時前なんだ。普段、母さんに怒鳴られながら起きている俺にとっては、奇跡的な目覚めの良さだ。
これも、
俺は、横で寝息を立てる
薄手のトレーナーから、すらりと伸びた両足が艶めかしい。
「ん……」
俺は、吸い込まれるようにトレーナーの裾をつまむ。あとほんの数センチめくりあげるだけで、パンツが丸見えのモロ見えだ。
って、ダメだダメだ! そんなことしちゃ。
俺はしばし葛藤していると、
「ねえ、なにやってるの??」
ギクゥ!! バ、バレた!
「そ、その、トレーナーがめくれてたから、直してあげようと……」
「うそ! さっきからずっと固まったままじゃない!」
え? どういうこと??
「せっかく寝たふりをして襲われるのを待ってたのに……もう、
「
「さ、これから着替えるから。恥ずかしいから出てって出てって!」
「行ってきます」
「行ってきまーす」
「はーい。いってらっしゃい」
俺と
「おはようございます! アニキ、ヒーナ!!」
「大丈夫でやんしたか! クロノス王国の死角に狙われやしないかと、ハラハラしてやした」
「ヘーキだよ。
「お、おい
「そうでやんすか! 紳士のアニキが側にいてくれたら安心でやんすね」
「うん。ちょっとヘタレだけどね!!」
コラ
「そ、そうだ、
「モチロンでさぁ!! この
「ありがと! カシオ」
「助かるよ、番長」
放課後、俺たちは屋上にあつまる。まずは状況整理からだ。
「普通に考えたら、俺たちの方が圧倒的に不利だ。でも、昨日、刺客として襲ってきたのが幻術師ゾーネってことを考えると、俺たちにも戦いようがある」
「どう言うことでやんすか?」
「多分だけど、聖女ヒーナが逃亡した事実は、クロノス王国全土には知れ渡っていないはずだ。知っているのは、王様の側近、そして幻術師ゾーネの兄、勇者ランゲ率いる
俺の推理に
「うん。そうだと思う。「精霊の儀」の真実を知るのは、ほんの一握りの人だけなはずだよ」
「
「なるほどでやんすね!!」
「そうなると、クロノス王国の王様が使える手駒はほんの僅か。でもって、その人たちの能力は、ゲーム『クロノスの聖女』をクリアした俺が把握している。さらに、今、
俺はそこまで一気に話すと、
「
「モチロンいいわよ!!」
「
「そこにいるカシオを、使用者に登録したいの。お願いできる?」
「かしこまりました」
コンスタンタンは、スカートのすそを持って、うやうやしくお礼をすると、番長の体が青白く光る。
「おお。なんだか力が湧いてくるっす!!」
「よし成功だな。今度は、幻術師ゾーネから奪った、ロイヤルオークを使ってみよう。コンスタンタン、ロイヤルオークをここに」
「かしこまりました」
パチン!
コンスタンタンが指を鳴らすと、頭上に時空のはざまが浮かび上がり、クロノス王国最強の杖、ロイヤルオークが出現する。
「ロイヤルオークは、道具で使うと風を操ることができるんだ。それ!!」
ロイヤルオークを振り上げると、小さな竜巻が巻き起こる。
竜巻はふらふらと蛇行して、思うように操作ができない。
あ、あれ? 結構、扱いが難しいな。
竜巻はそのまま
「キャア!」
「
「俺様、アニキのこと見損なったでやんす」
「ご、ごめん!! ワザとじゃない、ワザとじゃないんだ!!」
俺は、必死に言い訳をする。
■次回予告
引き続き、刺客対策を続ける
……お楽しみに!
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