マネーの虎 社長優しさランキング Sランク編 その2
◆2位 高橋がなり社長 優しさ力93 Sランク
元はあのテリー伊藤に師事したテレビマンであり、当時のソフトオンデマンド(いわゆるAV会社)社長。
これに関しては正直、貞廣社長とどちらを2位にするかめちゃくちゃ悩んだのだが、優しさ力としては(?)僅差でがなり社長の方が上ではないかと考え、今回はこちらを2位に選出させて頂いた。
がなり社長がマネーの虎で見せた優しさエピソードで最も印象に残るのは、やはり『おにぎり屋』をやりたいという女性志願者の回をおいて他にないだろう。(筆者が2位に選出した理由もこのエピソードから)
この女性志願者、プレゼンに出てきた当初からとにかく気が強く、社長たちからの質問にもキレたかのように強い口調で返答するため、投資をお願いしにきた立場でその喧嘩を売るかのような態度はどうなんだと、当然他の社長たちがお金を出すはずもなく、全員ドン引きしてノーマネーとなった。
しかし、そんな中でもがなり社長だけは彼女を評価し、彼女を否定する先輩方(他の社長たち)を、『お前と組んでやっつけてやりてぇな』と、なんと860万という大金を一人で出してしまうのである。(!!)
このがなり社長の有り得ない優しさと驚くようなマネー成立劇に、女性志願者は号泣してがなり社長への恩返しを誓った。
もうこの時点でもだいぶ優しさ力に溢れているのだが、真に驚くべきはその後のエピソードだった。
マネー獲得後、女性志願者は家に閉じこもり、おにぎりの試作品作りに取り組むのだが、思うように進まない。それを見かねた高橋がなりは、彼女にある提案をした。
それは、ウチの社内(ソフトオンデマンド)に入れて、まず人のことを頼れる環境を与えてあげる、一人で頑なに突っ張っている彼女の心をほぐしてあげたいというものだった。
その内容は、彼女を1年間契約社員として迎え入れる、給与は月50万、年間で600万を保証する、更におにぎり屋に取り組むスタッフとして、社内から女性スタッフ10人を付けレディースチームを作るという、破格中の破格といえる内容。
チームワークで物事を成し遂げる環境を与えることで、彼女に『勝つ経験』をさせてあげたいという、がなり社長の親心だった。
申し訳ないが、画面で見る限りは、それほどの給与を出す価値のある業務をしているようには全く見えないし、がなり社長でなければこれほど破格の待遇で迎え入れる会社など他になかっただろう。
この一種甘すぎるとも思える破格の待遇にもビックリするのだが、更に驚くのはこの後。
300万でおにぎり屋に使う車を購入したまではよかったのだが、女性志願者は癌という病魔に襲われ、あの当初の強気な態度はどこへやら、みるみる内に弱気な態度へと変化していく。
女性志願者はがなり社長に、病にかかってしまった報告をするのだが、そこでがなり社長は強い言葉をぶつける。『本当にこれ冷たい言い方だけどもね、能力がないってことなんだよ、病気になるってことは。それを理解できないと、経営者になっちゃいけないの』と。
この発言に関しては筆者は物凄く理解できるし、筋が通っているとも思った。経営者(プロフェッショナル)というものは『結果』でしか評価されない、そこに至る過程は関係なく、全ては『結果』なのだと。
例えば病気になったから事業を投げ出して従業員を路頭に迷わせていいのか、経営者としてそんなことは言い訳にならない、そういう厳しいプロ意識、経営者としての心構えを、がなり社長は伝えたかったのだと思う。
がなり社長は彼女を見捨てず、身体を治して帰ってきなさいと、更なる期待を託して待っていると伝えた。
それから二ヶ月後、事態は急展開を迎える。
なんと、これほど破格の待遇で迎え入れてもらったがなり社長に対し、女性志願者は『おにぎり屋を辞める』『マネー成立は辞退する』(つまり、あれほど協力してもらったけど全部ちゃぶ台返しして辞める~!!)という驚きの決断を伝えるのである。(!!)
まあこの方にはこの方なりの葛藤や想いがあったのだろうし、苦しみ抜いた末の決断だとは思うのだが、あれほど好条件でサポートしてもらって最後にこれでは、あくまで筆者個人的には我が儘で恩知らずな決断としか言いようがないとは感じてしまった。
ちなみに、車に使用された300万は結局返ってはこなかったが、この車は後のキムチ屋の金さんに受け継がれていくという、マネ虎ファンであればお馴染みのエピソードとなっている。
他に『モンゴルタクシー』の回にもがなり社長の優しさが物凄く表れているのだが、モンゴルでタクシー事業を起こしたいという志願者に対し、がなり社長はなんと現地まで飛んでモンゴルの人々の貧しい現状を確認したいと申し出る。
そして自分の利益はどうでもいいから、経済的に困窮しているモンゴルの人々のために、会社の利益の中からボランティアという形で社会貢献してくださいと、志願者に条件を付けるのである。(!!)
これらのエピソードを見ただけでがなり社長の有り得ないような優しさが分かるかと思うが、何故93という優しさ力に留まったのかというと、がなり社長は元ジャニーズの男性志願者に対し、『事業に失敗したら身体で返して(元ジャニーズのAV男優が欲しい、ニチャア)』など、たまにぶっ飛んだ提案(テリー伊藤譲り?)をする時もあるため、純粋な優しさだけで計れるような人物ではない(良い意味で)と感じ、その点を差し引いて93とした。(?)
基本的に話の筋は通っているし、男気もある。この場(テレビの前でのプレゼン)に来た志願者は実はみんなその時点で評価してるんですよと、このどうしようもない志願者を俺が何とかしてやりてぇなという優しさは、虎の中でもトップクラスに感じる社長である。
それはおそらく、自身が何度も事業を失敗した時でも、テリー伊藤など協力してくれた出資者が見限らずに自分を助けてくれた経験からも生まれているのだろう。
自分が助けてもらったように、俺もこの志願者を何とかしてやりてぇなと、常にサポートの可能性を探っていたのだと思う。(或いは他の社長と違うことがやりてぇ、お前がそう言うなら俺はこう逆張りしてやるよではないが、テリー伊藤に師事した経験から、セオリー通りに進むのは面白くないという感覚もあるのかもしれない。つまらない常識などぶち壊してやれと)
志願者の話に耳を傾ける姿勢、投資、サポートに向かう姿勢も含め、虎の中でもトップクラスに話が分かり、優しい社長であることは間違いないと感じ、今回堂々の(?)2位選出となった。
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