雉花RECORD(SERIES:03)
作家:岩永桂
翼をください
雉撃ち爺さん、花摘み婆さんRECORD
翼をください
JASMINEさんは確かに「FM」と言う単語を書き込んだ。
そこに、にわかな懐かしさを感じる。
地元FM局のヘヴィー・リスナーだった自分が
立場を違えて、パーソナリティーに?
厳密には朗読劇の脚本担当だった。
それでも、やる気のギアはいきなり三速に入る。
やるんだったら、完全オリジナルがいい!
JASMINEと言う平成の歌姫が実在したけど
楽曲使用には所属事務所の許可が必要だろう。
頭の中では「翼」のメロディが大反響していた。
LYRIC:KEI IWANAGA
MUSIC:KEI IWANAGA
地消地産と呼べそうな
自給自足な音源確保。許可は己に取ればいい。
計画はゆっくり、確実でいい、
〆切りもノルマもない計画の一端だ。
彼女の家庭には幼いお子さんも居ると聞いた。
今の語り口で言うと、音源に比重を置いていそうだが
紡ぐ言葉にも説得力があると自負する。
「翼」をください? ならば授からん。
「今」を羽ばたく浮力で、計画を成就していこう!
JASMINEの楽曲をPCで流しながら
折角なら自分の音楽も流そう、と
レコードを取り出して、繊細に針を落とす。
「翼」は兄貴の歌唱演奏バージョンだし
「水無月の爆撃」はインストルメンタル。
「HOPE」は学生時代の親友のVOCALだ。
一発当たれば岩永桂バージョンも爆誕するかも、と
未来に希望を、HOPEを掲げて
水無月の雨空を銀翼で羽ばたく未来予定図。
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