自由

@tanakgrass

第1話

自由とは


あなたは自由とはどのようなものだと思い描いているだろうか。門限がないこと?校則が緩いこと?

いずれにしても”自由”というものに対して否定的な感情を持ち合わせる人はさほど多くないだろう

だがどうだろう

自由ということはそれ即ち全て自分の匙加減ということになる。

例えば自由の国アメリカではAIのシステム向上に伴い毎年大量の人が解雇されている。これは会社側、もしくは人事課の人間が自由だからである。また我が国日本でもSNSを通して若者が自身の未来の芽を自らで摘んでしまうような投稿をしているのが度々見受けられる。

これは一見すると自由とは関係ないようにも見

えるが、SNSを通じて人とコネクションするとき、相手と自分は対等な立場でコミュニケーションを取ることができる。すなわち相手によらずフラットな状況で対話ができる”自由”がそこにはあるのである。

就職活動もそうである。大学まではある程度敷かれたレールがあり、そのレールに沿って進んでいけば良かったものが突然なくなるのだ。

ここからは自分のレールを敷けと。

それが”自由”なのだ。

どこを向いてレールを敷いてもいい。だがそのレールの先に何があっても周りは助けてくれないのである。

このように”自由”は皮肉にも”不自由”に機能することがある。

鳥籠の中に入って生活する方が幸せなのか、終わりの見えない砂漠を歩く方が幸せなのか、私には判断しかねる。

ここにおける”本当の自由”とは不自由を働かない自由つまり『縛りがないことでかえって物事を縛っている』ことがない自由のことである。


では”本当の自由”とは果たしてなんなのだろうか。


本当の自由とは他者と協力し、誰もが享受することができ、いつまでも上を目指し続けることであると私は考える。

ある個人が自由を手に入れた時、その他の個人が不自由や被害を被るのであれば、それは自由とは言えない。

両者が平等に自由を受け取るためには両者の妥協や協調が必要不可欠なのである。

さらに前述した自由がもたらす不自由を避けるためには自己と他者の関係性だけではなく、自分自身の意識も変えなければいけない。

限りない自由のゆとりに落胆してその場に座り込むのではなく、より良い景色を求めて上に登り続けていく。

それこそが”本当の自由”ではないのだろうか。

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