第3話

「え〜、コホン! その説明をするために、とりあえずアメリカで今やっている野球の試合のどれかを選んで開くことにするわね♪」


「ふむふむ、了解です」


 続けて私はスマホでどのように試合結果を見ているのか奏翔くんに説明するため、アメリカで現在行われている野球の試合を1つ選ぶことにしたの。


「まず見たいチームをポーポレで文字を打って検索します♪ ちなみに普段の私はここで推しのチームである東京オレンジシャイニーズを検索して現在の試合状況を調べているの♪」


「ふむふむ、なるほどなるほど……」


「そして検索すると、そのチームの現在の試合展開が分かるんだけど、ここからがとても重要なことだから奏翔くんはしっかりと聞くように☆!」


「はっ、はい! バッチリ聞いておきます!」


「うむ、よろしい♪」


 そして検索したチームの現在の試合展開が無事に表示されると、私はここからがとても重要であることを奏翔くんに強調して伝えたの。


「それで次にこのまま下にスクロールするんだけど、そしたら何とミレッターがここに表示されているの☆!」


「あ〜、言われてみれば確かにそうですね。何かしら検索すると、それに関連するミレッターでのつぶやきが表示されたりしますよね」


「そうそう♪ それでそのミレッターのつぶやきを見てほしいんだけど、ここには検索したチームの公式サイトが表示されているだけでなく、一般人や有名人のユーザーの分も表示されているの♪」


 それから私はスマホをそのまま下にスクロールさせると、そこにはミレッターのつぶやきが表示されていて、中身はチームの公式サイトだけじゃなく一般人や有名人のユーザーの分まであることを奏翔くんに説明したの。


「へぇ〜、本当ですね。茉莉亜さんの言う通り、確かに一般の方や有名人のユーザーのミレッターのつぶやきが表示されていますね」


「そうなのそうなの♪ それでね、その一般の人や有名人のユーザーのつぶやきをよ〜く見てほしいの♪」


「よ〜くですか?」


「そう♪ よ〜くね♪」


 一般人や有名人のユーザーの分のミレッターのつぶやきが表示されていることが分かると、私は奏翔くんにそれをよ〜く見てほしいことを伝えたの。


「なるほど、分かりました。ではよ〜く見てみることにしますね。どれどれ……、ん……? よく見てみますと今の試合状況がどうなっているのか書かれていますね……」


「ニヒヒッ、その通り♪ 一般の方や有名人のミレッターのつぶやきを見てみると、そこには今試合がどうなってくれているのか書かれているの♪ 多分その時の自分の気持ちをみんなとシェアしたくてつぶやいていると思うんだよね♪」


「あ〜、なるほど。それは確かにあると思いますね」


「でしょ♪ 奏翔くんもそう思うよね♪」


 そして一般人や有名人のミレッターのつぶやきを奏翔くんに見せると、奏翔くんはそれらを見て現在の試合状況が分かることに気付いたの♪


 そう。奏翔くんの言う通り、一般人や有名人のミレッターのつぶやきには現在の試合状況がどうなっているのか何となく分かるようになっていたの♪


 さっきも言ったように、多分その時の自分の気持ちをみんなとシェアするためにミレッターを使ってつぶやいていると思うんだよね♪ あくまで私の推測だけど。でもそのおかげで、その時の試合展開がどうなっているのか大体は把握出来るし、結構助かったりもしているんだよね♪ マジで本当に感謝です♪


「それで次なんだけど、ここで一旦検索画面に戻します」


「はっ、はい」


「そして再び、さっきのチームを検索してもう一度試合がどうなっているかを見ることにします」


「ふむふむ、了解です」


 次に私は一旦検索画面に戻した後、さっきのチームをもう一度検索して再び現在の試合のスコアを表示させたの。


「それでまたミレッターの所へスクロールするんだけど、ここでちょっと奏翔くんに再びミレッターのつぶやきを見てほしいの」


「えっ……、再びミレッターのつぶやきを見るんですか……?」


「そう♪ 再びね♪」


「わっ、分かりました……。では再び見ることにしますね。ふむふむどれどれ……、あれ……? よく見てみますとミレッターが更新されていて、今打席に立っていた選手の結果が分かるようになっていますね」


「ピンポ〜ン♪ 奏翔くん大正解だよ♪ 一回検索画面に戻ってその後再びミレッターの表示を見てみると、試合展開が進んだ分つぶやきもそれに反映されて更新し、その時の攻撃や守備がどうなったのか分かるようにもなっているの♪」


「なるほど、それはとても凄いことですね。これならいち早く試合がどうなっているのか分かりますし、かなり便利な機能ですね」


 そのチームのスコアを再び表示し、ミレッターのつぶやきをもう一度見てみると、そこには更新された一般人や有名人のユーザーのつぶやきがあって、その時の攻撃や守備の進み具合がいち早く分かる仕様になっていたの♪


 場合によっては一球ごとの結果がどうなっているのか分かったりするんだよね♪


「そして、あとはこれをひたすら繰り返して行くの♪」


「なるほど……。あとはこれをひたすら繰り返して……って、それだと何百回も見ることになると思いますが……」


「うん、そうだよ♪ 言ったでしょ? 私の場合、1日に試合結果を見る回数が異常だって」


「確かに言ってましたけど……。まさかこういうことだったとは……」


 そしてさっき説明したやり方を何度も繰り返してその日の試合をチェックしていることを奏翔くんに話すと、奏翔くんはそれを知って終始唖然としていたの。


 まあ……、やっぱりそう思うのが普通よね……。何となくは予想してた……。


「なるほど……。これならスマホで試合結果を見るだけで頭痛になるのに説明が付きますね……。今ようやくその理由が分かりました……」


「エッヘン☆! 分かったのならよろしい♪」


「だからなんでそんな偉そうにするのですか……? 別に誇るようなわけでもないですし……」


 私がスマホでシャイニーズの試合結果を見るだけで頭痛になったことについて奏翔くんは納得したのと同時に呆れてもいたの。


 あと奏翔くんがさっきボソッと私の言動とかを指摘していたけど、これも全力でスルーすることにします♪ テヘペロッ♪



「それとちなみに言い忘れていたけど、スマホでその日のシャイニーズの試合のスコアを最初に確認する際、まずシャイニーズの方の得点を手で隠して、先に相手チームの方の得点を見るようにしているの♪」


「えっ……? そうなんですか……?」


 それから私はここで補足として、スマホでその日のシャイニーズの試合のスコアを最初に確認する際のルーティンを奏翔くんに話したの。


 ちなみに今のをルーティンって言った理由は、単純にオシャレな表現にしてみたかっただけです♪ イェイッ♪


「うん、そうなの♪ それから一定時間が経って再び確認する際は、さっきと同じやり方でスコアをチェックするの♪ あっ、だけど連続ですぐに確認する時は流石にそんなことはしないよ♪ やったところであんまり意味がないしね♪ テヘッ♪」


「へっ……、へぇ〜……、そうなんですね……。それはまた随分と独特なスコアチェックの仕方ですね……」


「ちょっ、ちょっと!? 気持ちは分かるけどドン引きはしないでよ!! むぅ~!」


 続けて私はさっき言ったことを更に詳しく説明したんだけど、奏翔くんはそれを聞いて明らかにドン引きし、私はそのことについて奏翔くんに怒りプク顔を作っていたの。


 うぅ〜……、そう思われるのは分かってはいたけど、だからっといってこうして面と向かってドン引きされるのはやっぱり凄くショックだよ〜……。しくしく……、ぴえん……。


「ハァ〜……。まあスコアのチェックの仕方は人それぞれですから百歩譲ってそこは理解することにしましょう……。本当は全然理解出来ないんですけど……」


「もぅ〜! そんなことは言わないでよ! むぅ~!」


「大体どうして相手チームの方の得点を先にチェックするのですか……? 普通こういうのは推しのチームから先にチェックするとは思うんですけど……。実際はどうか分かりませんが……」


 するとここで奏翔くんから、どうして相手チームの方の得点を先にチェックするのか聞かれたの。


「まあ気になるのも無理はないわね♪ フッフッフ〜……、では答えをお教えしましょう……♪ なぁ〜に、それは至ってシンプルな理由です……♪ シャイニーズの得点がもし0点だった場合、その時点でもう勝っていないことが確定なので、すぐに試合結果を見る楽しみが無くなるからです♪ なので先に相手チームの方の得点を先に確認するようにしているの♪」


「なっ……、なるほど……。その理由なら確かに納得ですね……。シャイニーズの得点が0点……、つまり無得点だと分かればその絶望感は半端じゃありませんね……。あと茉莉愛さん、その説明をするだけなのになぜか随分とノリノリでしたね……。普段の可愛さからは想像も付かないぐらいのギャップだったので、凄くインパクトに残りました……」


「いや〜、何か楽しくなっちゃってたからつい……♪ テヘッ♪」


「なるほど……。そういうことでしたか……。まあ……、茉莉愛さんが楽しかったのならそれで何よりです……」


 どうして先に相手チームの方の得点を先にチェックするのか、その理由を私がノリノリで楽しく説明すると、奏翔くんは多少呆れながらも一応何とか納得はしてくれたみたいなの。


 奏翔くんの言う通り、シャイニーズの得点が無得点だと分かれば、その絶望感は半端じゃないからね……。かなり落ち込んじゃうし、心が病んでちょっと鬱っぽい気持ちにもなるしね……。あはは……。


 ちなみに私がノリノリになった理由は、単純に途中から変なスイッチが入ってテンションがおかしくなったからなんだよね……。あはは……、本当にお恥ずかしい限りです……。


 あっ、あと奏翔くんが私のことを可愛いって言ってくれたのすっごく嬉しすぎるんだけど☆! 今の私、胸がとてもキュンキュンな気持ちです♡。イェイッ♪


 せっかくだから、あとで指ハートでもしてみようかな♪ ニヒッ、な〜んてね♪

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