嘆遍醜 -即興散文小説-
貴音真
悪夢と女
「いかないで!」
自らの発した声で目覚めた女は寝汗でぐっしょりと濡れたパジャマ代わりのスポーツウェアが肌にまとわり着く不快感によって自らの観ていたその夢が『悪夢』であると認識したが目覚める直前まで確かに観ていた筈のその夢の内容は全く思い出せなかった。
それから暫くして───
『悪夢』に
その時だった。
「この……が……の……だよ」
夜明けまでまだ暫くの時間があるにも拘わらず散歩をしていると思われる男の喋り声がカーテンの向こうで響いたことで女の意識は否応なしに
「本当に……が……なの?」
はっきりとは聞き取れなかったがどうやら散歩をしているのは男だけではなく一組の
「……またか」
ぽつりと呟いた女は
数分後───
女は静寂に包まれた部屋の中で再び布団に入った。
女が着ているパジャマ代わりのスポーツウェアは相変わらず不快感を与え続けていたがそんなことは些末な問題に過ぎぬほどの爽快感を
そして女はまた悪夢に
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