「クローバー。」~10代から20代に書いた詩
天川裕司
「クローバー。」~10代から20代に書いた詩
「クローバー。」
梅雨晴れの季節、クローバーはどこに咲く?
「女。」
私はこの世に女として生まれた。私が決めたのでもない。神様が決めたこと。私が急いでも黙ってもどうしようもないことだ。そう考えると、たったふたつの存在しかない男と女は紙一重。
「15。」
15でもうこの先楽しいことなんかないわ!、なんて叫んでる。嘆くのは、いつものこと、いつもである。風邪気味がちっとも治らないこの私も、そのくり返し。テレビで出てる、あの女優、あの男優、あのタレント、どこまでが本気でどこまでがうそ気なのか、日常生きてるこの私にはそのまわりの馬鹿らしさにあきれ果てる。たったひとり、ってのがどんなに苦しいものか、もうわかってた筈なのにまだくり返しは続くようだ。かわらない私は、いつまでも笑って暮らすのか。泣いてるのか笑ってるのかわからないような私の表情は、人を殺しそうなほど恐ろしく見える?
「旧花。」
何故だろう、今の流行に乗れない。まわりの友はピタリとあっているというのに。やはり、ただの友達かな、たしかに憧れに浸る前の私達はいたのに、今はどうしたことだろう。こんな日々が続いているから、毎日を生きてゆくのも辛いものだ。たくろうも長渕もあの頃、今のこの時代にその場所を捨てて芸能界なんてところに行った。私はと言えば、良からぬ妄想にかられて毎日を部屋の中で呼吸をする。死んだのとかわらない。奪われる命さえもないのか、目を軽く閉じた時、涙がこぼれた。
「反射。」
今の人の心とは、何がきっかけで救われるのか。神様の救いとは?何故神様をもてはやすのか。自分が“神”だと言い張る輩、人間故に哀しい。(テレサ)
「優越。」
いいかげんな人間、快感は疲れをいやすもの。私の時計は一刻、一刻、すすんでゆく。私の若さはそれに比例して徐々にけずられてゆく。“あきらめないで、”もうひとりの私はひそかに“あいつを殺せ、”なんて、この街での強くなる生き方を教える。もうこれ以上、怒りたくない、泣きたくない、不安を覚えたくない。この何もない一日に、本当に意味があるのか。夢はなくなり、夜の顔ばかりうつす鏡を持ちながら、途方に暮れる。
「眠前。」
苦しいのは眠る前、一日の疲れをいやすのがこの夜なのに何故?私は自問自答して、1人2役。とても早い口癖はこのせまい部屋いっぱいに響いているよう。ため息つくと、さっき見たおぞましい光景がまた目に浮かぶ。だめになったのは私か、このまわりか,それもわからないままに。
「再審。」
他の哲学少年が、哲学少女が、どうこうじゃない。私が生きてるのはひとりだと信じたい。現実、夢、すべて無に等しい。故人のように格言はもう生きない。不毛の地は哲学を生む、そこで”哲学だ..。”と語ったとしても、何も愛しいとは思わないし。神様を信じた私は、人を愛することはできず信仰がわからなくなった。”悪魔にはなりたくない.”なんてほざく私は無責任にも私の存在をたったひとつにした。
「rent.」
この身と人生をまかされた私としては、どう対処していいのかわからないよぅ。今が楽しけりゃいいんだ、なんて私にナイフをつきつけてくる奴等が私と同じ人間だと思うと殺したくなるほど、自分が哀しい。自分で自分を哀れむほど哀しいものはない、と、あの時思った。ひとりじゃ生きられない、なんてどうしようもない臆病は私のプライドをプレッシャーにかえた。夜眠る時、明日を考える。その時すでに私は負けた。笑い話にもならないほどおかしい。さよならは言えない私だけど、辛さは隠せない。ナルシスト気取ってもう少し字を書いてゆくよ。
「パブロフの犬。」
“何かいいことしたら私を愛してくれるかい?”...これじゃまるでパブロフの犬じゃないか。
「2℃ひくい部屋。」
白い指が黒いベッドの手すりにのっかる。窓をたたく風は、意味なくたたき続ける。本棚にはたいして面白くもない本が、もう一度はじめから読まれたコミックなので、以前にまして面白くなく並んでいる。私の横の机は、また明日起きなきゃならない私を暗示している。少しの夢だけを見させて布団はその手助け。私はいつも負け役。その部屋はいつもより2℃ひくかったのだ。
「楽しさ。」
君は生きて何が楽しい?考えちゃいけないこと。どんどん沈んでゆく。楽しいことと言えば、Sexくらい。あとは眠ること、ま、皆でワイワイやること。やってられない、なんて格好つけたとしても、明日と今日は全く違う。時間が経つのが、早くて遅い。何に急かされて私は生きなきゃならない?お金、夢?男、女?人生は遠い思い出、波が激しいものさ、意味はどこにあるのか。どんな意味があるのか、教えてほしい。人間、古い響きだ。
「会話。」
“明日と今日じゃどう違うの?”
「火曜日と水曜日さ。」
“(笑)そんなんじゃなくてその日の流れだよ”
「あの人としゃべったことが違うさ」
“あの人って?”
「君の友達。」
“ははは、面白いジョーク.”
「(笑).」
“じゃあ、今日と昨日じゃどう違うの?”
「同じことだよ。」
“フン、結局そんなもんか。”
「そんなものさ。」
「コロン。」
結局、人は今の雰囲気をこわしちゃあいけない。その環境に沈んでゆくべきなのだ。決して出すぎてはいけない、引いてもいけない、あんまり自分を出してもいけない。普通に生きてさえいればいいんだよ。それが今の人間の生き方だ。皆そうすべきだ、そうでないとその人が恥ずかしさを見るだけだから。この世に生きてくならね。
「装飾。」
今書くことが下手になったのは、決して書くことが失くなったからじゃない。書きたいことは山ほどある。気に入らない私の唄声は、あいつと比べて神経を逆なでする。男と女で成り立つこの世の中は、上で神様が見ている。“大丈夫、今日の一日は滅びたりしないよ、”そうボヤいていけないことをする人々と私。小さい頃はいい事、悪いことがにわかにもはっきりしていたんだ。でも今となればこの文字を書いていく度に、そこから離れて自分がマヒしてきている。私の筆ぶしょうは、下手な生き方をする私の臆病だ。
「クローバー。」~10代から20代に書いた詩 天川裕司 @tenkawayuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます