死ねない少女の逃避行

第1話 悪夢

 暗闇に包まれ、何も見えない世界






 その世界に突如月が現れる







 そして月明かりが辺りを照らし










 純白の髪を持ち、体を真っ赤な血で濡らした1人の少女が姿を見せる








 その少女の足下に有るのは









 下が見えない程渦高く積まれた









 更に下から半透明の人間が大量に登ってき、少女に纏わりつく








 それは全て少女の手によって殺められた亡霊だ







 その亡霊達は口を震わし、声を紡ぐ―――――





『お前のせいだ』


『家族だっていたのに』


『この悪魔が!』


『邪神の使徒め!』


『俺達はお前を絶対に離さない』


『何時までも呪い続けてやる』


『お前だけじゃない』


『お前が関わった人間、全て呪ってやる』


『多くの人間に恨まれ、絶望しながらこれからを過ごして行くが良い』


『だが、いつかはお前も必ず』


『俺達と同じ冥府まで引き摺りこんでやる!』










『痛い、イタい、いたい』


『いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい』


『いたいよ、お姉ちゃん』


『なんで?どうしてなの?』


『お姉ちゃんは、僕/私達の事、絶対マモってくれるって言ってたのに』


『どうして、あの時キテクレ無かったの?』


『ねぇ?』


『どうして?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?ドウシテ?』


『なんで、お姉ちゃんが1人で』


『のうのうと生き延びてるの?』












「………っ〜!?」


 私………ルナ…………は目が覚めると同時にガバッ、と体を起こす


 目に映るのはさっきの地獄の様な景色とは違う、緑で覆われた雄大な自然


「はぁ…………はぁ……………」


 体は全身汗塗れになってしまっている

 大方さっきの夢のせいだろう………


 毎晩これだ


 あの時の……………


 つい先日まで行われていた戦争で


 殺めた敵の顔が


 守れなかった、私が所属していた少年、少女だけの部隊の子達が


 夢に浮かんでくる


 これのせいで毎日ほぼ寝る事も出来ない


 眠ってしまうと、必ず夢を見てしまうからだ


 だが其れも仕方が無い


 全ては…


 全ては、私が悪いのだから





 私が敵を殺さなかったら、同じ部隊の子達が死んでしまっていたから、殺すしか無かった


 私がみんなの事を守るなどと、宣っておきながら、守る事が出来なかったから




 嗚呼…何度、何度願った事か、


 あの戦争が無くて、部隊の子達ともっと違う出会い方が出来たなら


 もっと私に、力と覚悟あったらと



「はぁ……………」


 叶う事の無い幻想にのめり込んでも仕方が無い


 何をどう足掻こうとも、過去は変わらないのだから











「…っと、ここらまで来れば十分かな…」


 戦争はつい最近終わった


 私の属していた国の敗北という形で


 まぁ其れも当たり前だ


 私の属していた国は吹けば消えて無くなってしまう様な弱小国家


 それに対し相手の国は、国土は私の居る大陸の中でも中堅ぐらいに入る広さを持ち


 国力で言えば大陸で上の下ぐらいには入る圧倒的に格上の国だ


 うちなんてどれだけよくても下の中が精々だって言うのに


 馬鹿な王達のせいで戦争が始まった


 詳しい戦争の原因は知らないけど

 なんでもうちの国王が相手の国の国王を滅茶苦茶馬鹿にしたらしい


 そんで始まったみたいな

 ほんとに酷い話だよ


 まぁそんなこんなで戦争に負け、私は国を追い出された


 私には他とは違う


 そして魔法ともまた違う異質な能力があった


 其れが相手国の手に渡り、利用されるのは癪だとか国王が最後に言い出して


 国から私に関する情報を全て消した上で追い出されてしまった


 私自身従うのは癪だったけど、もうこれ以上利用されるのは嫌だったから逃げて来た


「さて…………逃げたのは良いけどこれからどうするべきか………」


 路銀も何も無いんだよね、今













あらすじに一部重大な不備があった為修正


既にその部分を見た方はどんな方法を使っても良いので記憶から完全に消し去ってください


あ、頭を打ちすぎて病院に行くとか辞めてくださいね

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