小指の体操ノート
猫煮
小指の体操
05-29-24 - 06-04-24
映画に興味がないAさんの場合(05/29/2024)
お題:
【CAPA】
>【毛細管現象】
【マディーナ州】
>【アルメリア県】
>【荒川】
【マッペン】
初回です。初回にも関わらず地名が4つも出てきて先行きが不安になりましたが、なにはともあれ初回です。
どれを選んでも地名が2つは入るので、なにか方策はないかなと WEBで詳細をチェックしていたときに、アルメリア県にタベルナス砂漠があることを知りました。タベルナスでアラビアのロレンスが撮られたというのは(タベルナスが日本語に聞こえたため)覚えており、それなら荒川で何かしら映画を撮影しているだろうということでアルメリアと荒川の採用が決定しました。
残りはCAPAか毛細管現象のどちらかにしようと思い、とりあえずは放置したまま書き始めたのですが、深く考えずに書いた書き出しがダウナー系だったのでジワジワ感のある毛細管現象が内定したのです。
映画繋がりでアルメリアと荒川を選んだため、なんとなく橋を渡っている若者二人というワンカットをメインにした構図で書きました。
ただし、この映画のロケ地良いよね……良い…… みたいな話にすると何も起きないので、「ロケ地には説得力がありまぁす!」という主張をゴリ押しするマンとそれを冷ややかに見つめるマンというキャラ付けが書いている最中に決まりました。
関係性と事件が決まってからは、比較的簡単に構成が決まり、事件が説得力ゴリ押し事件だったため、ひややかマンに実験してもらうということでオチまで決まりました。
この説得力が必要論は私も少し思っていることでしたので、決着としては(外付け)説得力回路がないためにどうもノリきれないさびしんぼひややかマンがゴリ押しマンを失って(生存)初めて気がつく(無自覚)大切さというところに着地しました。ラブコメみたいですね。
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Bさんから聞いた少年の場合(05/30/2024)
お題:
【山崎製パン】
>【エメトフォビア】
【三重県】
【森田村】
>【薬包】
>【ニアメ】
お題で出てきて初めてエメトフォビアという言葉を知りました。知らなくても良い知識だった気もしますが、フォビアの他にフィリアもあると聞いてからはますます知らなくて良い知識だった気がしてきました。
ニアメはどこかで聞いた気がしたので、調べてみたところテロ関係の危険情報が検索の上位に載っていました。そこで、このあたりは地政学的には重要なのかもなあとなんとなく思い浮かび、かといってガッツリ民族紛争を 1時間で書くのも嫌だなあということで悩んでいたのです。
とはいえ、いつまでも考えていても仕方がないので、民族紛争の中から相互不理解だけを抜き出し、もう少し身近な部分に落とし込もうとした結果、舞台が寄宿学校に決定しました。
知らずのうちにニアメに囚われて構成を考え始めていたため、三重県と森田村は不採用が決まっていました。山崎製パンについてはそもそも使って良いものかグレーなラインでしたので、自動的に残り2つがエメトフォビアと薬包に。寄宿学校で嘔吐となると集団食中毒が一番早いのですが、相互不理解を素早く盛り込めそうになかったので、ストマックパンチに出演のオファーを出しました。
パンチ召喚のきっかけはいくつか考えたのですが、エメトフォビアをパンチターゲットに付与するのも可愛そうでしたので、召喚者を「スゴイヒドイヤツ」にして最近流行りのざまぁ展開でもやってみようと考えついたのです。
薬包については医薬品部門の薬包でもよかったのですが、パンチ召喚者にエメトフォビアを付与することを考えると銃器部門のほうが都合がよろしかったので、そのようにしました。
ここまでパーツが揃えば構成を作るのは簡単で、薬包ユーザーに十分な憎しみを抱かせるためには第三者経由であったほうが有効かと思い登場人物の数も決定。残りは流れで良い感じに進みました。
途中で脇道にそれるかとも思ったのですが、意外とすんなりチェックポイントを全部通ることができたのが驚きです。
ただし、メインテーマを「因果応報」と「決意と成長」のどちらにするかは途中まで迷っていました。両方とも書く必要はあるのですが、あまり暗いテーマをメインにすると1時間で終わらない気がしたので後者をチョイス。
しかし、メイン二人の関係を丁寧に書いた影響で後半が圧縮され、結局どちらにしろ伝わっていない気もします。成長するにはなにかを切り捨てなくてはいけない…… 。
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職務外労働のCさんの場合(05/31/2024)
お題:
>【爪印】
【グアテマラ市】
【ミラ】
>【渡り川】
【日本国憲法】
>【新歌舞伎座】
グアマテラとミラが並んだせいでミラをミロと見間違え、口の中が甘くなった回です。
ミラが車しか思いつかなかったのですが、調べても車しか出てこなかったため除外。
渡り川(三途の川)でなにかないかなと考えていると最近の「あの世観」がお役所仕事ライクになっているなあと思ったため、それなら爪印も使えそうというところから構成を考えました。
ただし、それ以上が固まらなかったため、とりあえずあの世描写から始めたのですが、残り20分になってもその先が決まらなかったためニューエイジ輪廻転生を使用することに。
最近の転生では特に審査などなく記憶を失って輪廻の輪に入るということでしたので、幽世感をだすための様々な演出(霧や忘我など)をそのまま流用することに。
迷い死人を強引に輪廻に戻すために、死神役のお姉さんをポッと出して話を強引に扉へシュートしました。
なので、特にテーマもなく書いた話ではあるのですが、幽世感要素が良い感じに輪廻転生とマッチしてくれたせいでポッと出死神姉さんもあまり目立たなかったかもしれません。そんなことはないかもしれません。
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夢見がちなDくんの場合(06/01/2024)
お題:
【パソコン通信】
>【イワガニ】
【道行き文】
【ノバイグアス】
>【ヒアルロン酸ナトリウム】
>【横浜ノースドック】
書いた当日の夕飯が確かエビフライでした。そのため、イワガニの出演は半ば決定事項だったのですが、最初は全く違う話を構成していました。
最初の話は確か、こんな感じです。
「 20XX年、野生を生きたイワガニから高品質のヒアルロン酸ナトリウムが抽出されることが判明し、乱獲によってイワガニはその数を急激に減らした。そして、世界で最後の一匹となったイワガニ。種族の絶滅が決定付けられた彼は、その中でも必死に生きようと逃亡生活を続けていた。そんなある日、逃げ込んだ排水口の中で WWWの影で滅びつつあるパソコン通信の最後のホスト、電太郎がモニターに向かっている姿を見つける …… 」
このような話で、終わらせることの難しさと先がない努力をする意味とは…… のようなことを書こうかと思ったのですが、 1時間向きではないなというのと、そもそもイワガニからヒアルロン酸採れないだろうなということでボツに。軟骨成分ですしね。
ではどうしようと考えたところで、唐突にラブストーリーが書きたくなったのでラブストーリーを書くことにしました。
ただ、イワガニが頭に居着いてしまったので、とりあえずイワガニについて調べると、最近までアメリカからの外来種だと思われていたのが在来種だったという記述を見つけました。この非自発的産地偽装から、過去を捏造してしまう主人公という大枠が固まりましたので、とりあえずはそこから書き始めたのです。
しかし、イワガニが頭から離れてくれなかったので、波に流されて消えてもらいました。実のところ死体を出すつもりはなかったのですが、何故か死体が出てきてしまったので、じゃあ初恋の人も殺してしまうかという軽率な理由が近所のお姉さんを殺してしまったのです。そのために、主人公が水死体に何度も遭遇するヤベー奴になってしまったのですが、これも必要な犠牲ということにしておきます。おそらく彼は警察にマークされていることでしょう。
お姉さんの水死体が出てきた時点ではテーマが決まっていなかったのですが、よく考えれば初恋を忘れられない少年の心はロマンチックだなと思えたため、その方向で既存部分を含めて整えました。
ただし、報われない初恋をもたせ続けるのは哀れかなと思いましたので、最後の死体をお姉さんとなんとなく似ている人にすることで印象を上書きし、初恋を終わらせました。横浜ノースドッグは完全にとばっちりで不祥事を起こさせました。ごめんなさい。
初恋部分の表現はもう少しグロテスクにしたほうが良かった気もするのですが、時間が足りなかったことと、いまいち幼い日の年上への恋慕に対する解像度が低かったのでサラッと流しています。しかし、恋の成長イベントぐらいは入れても良かったかもしれません。
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夏の日のEさんの場合(06/02/2024)
お題:
>【卵】
>【幽霊】
【倭国】
【ゴルフ】
【和爾遺跡】
>【シンダー】
この日の夕飯は焼いた豚肉だったのですが、残念ながらお題には入っていませんでした。
真っ当なお題ばかりで、かえって選びにくかったのですが、遺跡についてはよく知らなかったのでそれ以外から選ぶことだけは決まり。職務外労働のCさんで幽世系のお話をうまく書ききれなかった心残りもあり、幽霊は決定していました。
また、たまには会話をいっぱい書きたいなあという思いがあったため、会話を多めにすることも決まっていました。ただし、あまり人を多くしすぎるのもキャラをしっかり作り込まないと誰かわからなくなりそうだったため、 2人だけでイチャイチャさせることに。
しかし、問題は何の話をさせるかということで、仮話題ということでお題の上の2つを合わせました。書いているうちに登場人物のパーソナリティは決まってくるかなということで片方は突飛なこと、もう片方は冷めたことを言うとだけ決めて書き始めたのですが、唐突に兄弟設定が生えてからはすぐにキャラクターが固まった気がします。そして、話が意外と弾んだので仮話題も本採用に。
実を言うと、兄を死なせるかは獣が化ける話をするまでは迷っていました。しかし、蝦蟇が飲み込む胡蝶の魂は賢いのかというやり取りをしたときに、この兄さんは多分死んでいるなと思いましたので、レアキャラとしてお盆の幽霊扱いにしました。それに伴い、前半の修正やサンショウウオをねじ込むのに5分ぐらいかけた気がします。ヘビの生き血と迷ったんですけどね。
卵の幽霊を何にするかというのは、元が仮話題だったこともあり少し悩みましたが、お盆に帰ってくるということは仏教徒だろうということで仏教的価値観から考えることに。転生ということを考えると、卵の魂魄については新しい生へ到達する側の魂が黄身、死体として残る魄が白身かなと思ったのですが、ここで殻の存在を失念していたことに気が付きました。
卵の殻というと一般には外界との遮断をするというイメージなのですが、呼吸の調整などもしているようなので、どうしたものかとしばらく考え込みました。体の外にあるものとして服でいいかなとは思っていたのですが、空気のやり取りにかけて評判でも良いかなとも思っていました。しかし、本質とも関係ないし、わかりやすいほうが良いかなと思い結局殻は服扱いとしました。
本当はもう少し会話をさせてあげたかったのですが、とりあえず決着がついたところで時間も迫っていたので、卵と一緒にお兄さんも除霊(?)してしまいました。まあ、どうせ暇になったらまた出てくるだろうと思います。しかし、冷静に考えると生霊の煮込みはグロテスクかもしれません。まあ美味しいので問題はないでしょう。
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ささやくFさんに感化された彼の場合(06/03/2024)
お題:
>【メントル】
>【ナイト】
【オステオポンチン】
>【ホーキンズ】
【都営浅草線】
【モノルビ】
実のところオステオポンチンという響きに惹かれていたのですが、調べたところでアイデアもぱっとは思いつきませんでしたし、下ネタに走りそうだったので自重しました。
オスなにがしは除外するとして、何にしようかとおもってお題リストを眺めると、ホーキンズという名前をなにかで見た覚えがあり調べてみることに。すると、フランシス・ドレイクの従兄弟という情報があり、そういえば某トレジャーハンターゲームをプレイしたときに興味を持って調べた中で見た名前だったなと思い出しました。そういえばドレイク共々叙爵されていた気がすると思い調べると、実際に二人共ナイトの称号を持っており、お題にもナイトがありましたので、これにしようかと決めたのです。
ナイトの称号を得たのは1588と晩年のことでしたので、エピソードとしては無敵艦隊撃破か、最後の航海かなと考えていました。しかし、どちらのエピソードも真面目に書くとかなり長くなるので時間が足りないなと思い、最後の航海の前準備にすることにしました。
ドレイク船長についてはスペインとバチバチやっていた言うことは伝わっているので、おそらくスペインを好きではなかっただろうと思われます。しかし、ホーキンズについてはアルマダの海戦前に一度、スペイン海軍に和平を反故にされているぐらいのことしかわかりませんでした。ただし、裏切りを受けていれば、多分嫌いだったろうということでドレイク船長共々スペインアンチということにしています。
後で読み返して気がついたのですが、特に断りなくアルマダとか言っていますね。割と有名なので要らないかと思ったのかもしれませんが、アルマダ単体だとスペイン語で「艦隊」という意味になってしまうのでちゃんと「スペイン無敵艦隊を破ったアルマダの海戦」みたいな書き方をするべきだったかもしれません。そもそも、当時のイギリス側があの一連の戦闘をなんと呼んでいたのかを調べきれていないので、もう少しうまい表現をするべきでしたね。
キャラ付けはどうしようかと考えると、ドレイクは私掠船に乗っていたこともあって少し荒くれ風にしようと言う部分はすぐ決まりました。一方でホーキンズはお行儀がいいのですが、奴隷貿易をやっていたという記述があったため、少しいけ好かない計算高い商人風の色を加えることにしました。とはいえ、どちらもちゃんと表現できていない気はします。
残りのお題はモノルビでごまかそうと思っていたのですが、キャラ設定を作った時点でドレイクに唆されたホーキンズという図式が思い浮かんだので、メンターの語源になったメントールを採用しました。ただ、この最後の航海が文字通り最期の航海になっているので、導かれたように見えても、その導き手は信用できるかわからないなあというジョークも組み込めたので、その点は満足です。
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G氏の声を盗み聞きしたおしゃべりバードの場合(06/04/2024)
お題:
>【あすか】
【夜越山森林公園】
>【シュピオナーゲアプベール】(独:防諜)
【岩波アクティブ新書】
>【チョウセンガラス】(カササギ)
【余呉町】
飛鳥の語源イスカ説を初めて知りましたが、そもそもイスカという生き物を初めて知りました。顔は知ってたんですけどね。
正直に申し上げますと、シュピオナーゲアプベールという響きは格好がいいと思うのです。とはいえ、防諜と他のお題をとっさに組み合わせることができなかったため、メインお題になっていません。
お題を選ぶのが困難でしたが、飛鳥の語源説があるイスカという鳥が義人の表象という話を見かけ、そういえばカササギってヨーロッパの方だとおしゃべり雀枠だよなと思い浮かびましたので、この二羽の知恵比べでもさせれば防諜をねじ込めるのではないかと考えました。実際は上手くねじ込めませんでした。
しかし、それだけだといまいちパンチに欠けるかなと思いましたので、最初に話したイスカに韻を踏ませてみました。これが問題で、一度やってしまったものですからすべてのセリフをそれっぽく書く必要が生じてしまったのです。実際、話の筋を考える時間と書いている時間を合わせたよりも、それっぽい韻を踏ませようとする時間の方が長かった気がします。
最初のうちは知恵比べの予定でしたが、書いているうちに間に合わないなと感じ始めましたので、予定を変更し特に人間に肩入れするではなく二羽共自分勝手に歌うスタンスに変更しました。カササギが序盤でなんとなく人間にすり寄っているのは知恵比べ設定の名残です。
書いているうちに大体の枠組みは決まったのですが、構成まで詰めている時間がなかったのでライブ感で書いています。そのため、場面がポンポンと飛んで読みにくかったかもしれません。とりあえずは、カササギって意地悪なやつだなーぐらいの感覚で読んでもらえれば良いのかなと思います。
結局、自然の意図は人間が生半に首を突っ込んで良いものではないというオチになってしまいましたが、結局天の声は誰だったんでしょうね。
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