第35話 最終話

怪我をして動けなくなると、他の船員があいつそろそろあれじゃない?

そうだなそうなるかもな。

俺は気になって何の話か聞き返したが。

こちらの話だから気にするなとの事。

ある日今日は天気が良いしたまには外の空気を吸ってみたらどうだと車椅子に乗せられて外に出してもらった。そして甲板に出るとそのまま海に突き落とされた。

こないだ全員達が話していたのはこの事か。

使い物にならなくなるまでこき使い、使え無くなったら操業中の事故死と言う事にして生命保険金を受取る。結局俺も山川も骨までしゃぶられた訳か。

勿論この漁船もヤ○ザの企業舎弟である。この程度の事は日常的に行われているんだろう…

この海には沢山の鮫がいる。怪我で不自由な身体で泳げずに溺れていたが他の船員達は何事も無かったように作業を続けていた。

すると直ぐに鮫がやってきて俺の足を食いちぎった。大量出血すると血の匂いに引き寄せられる様に大小様々な鮫が身体を生きたまま喰い千切り始めた。前身に激痛が走り意識が遠のく中、今までの人生が走馬灯のように流れてくる。思えば一流大学を卒業するまでが人生のピークだったかもしれない。その後は前述の通り実家の家業をコカし弟の龍二に全て押付けて俺は逃げた。そして愛する梅野さんと結ばれる為に転職した。ここで梅野さんが素直に俺の愛を受け入れてくれればこんな事にはならなかったかもしれない。

だが現実は違った、最終的には最愛の人梅野さんに嫌われた。しかも彼女の人生も滅茶苦茶にしてだ。そんな回想をしているとこんな死に直面した状態でありながら梅野さんのオ○ニーを初めて見た時の記憶が蘇った。

それと同時にち○ぽが勃起して今までに見た事の無い量の精子をだしていた。

人間は死を目の前に迎えると子孫を残したいと言う本能で射精する事があるらしい。

まあもっとも性欲最優先で人を食い物にして来た俺らしいと言えば俺らしいか…

射精した瞬間にち○ぽも鮫に喰い千切られた。

結局俺は周りの人間を不幸にしてきただけだった。両親や山川を死に追いやり、弟龍二や桜、最愛の梅野さんまで社会的には殺してしまったようなものだ。

でもこれだけは信じて欲しい。

梅野さんにどんなに嫌われても俺は梅野さんを愛している。もし来世と言うものがあるのならば次は俺の愛を真摯に受け止めて一緒になってくれ。

鮫に頭を喰い千切られ絶命する直前に心の中でこう呟いた。

愛してるよ梅野さん…


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ストーカー純愛物語 @SuzukiAlexanderTarou

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