自分を見ているようで

「ああ、これからどうしたらいいかな。ちゃんと進学できるのかな。」

彼女は不安そうに、ウザいくらい僕の周りをうろうろし始める。

正直、目障りだ。


「優等生の貴女がそんな不安になるものなんだねえ。そんな心配せずとも僕には大丈夫そうに見えるけどな。優等生なんだから。」

苛立っていたから僕はわざとトゲのある話し方で言った。


彼女は目を丸くして、

「大丈夫じゃない。大丈夫じゃないよ。」


そう言って泣き崩れた。


彼女のそんな姿を見たことがなかった僕は酷く驚いた。


元気なように見えたのは演技だったんだな。どうしてそこまで頑張っていたのだろう。

そのような憐みの心が芽生える一方で軽蔑の心も芽生えた。

どこまでが演技だ?この弱みを見せているかのような姿も演技ではないか?目の前で突然泣き始めるなんてみっともない。


助けたいとも突き放したいとも思う僕はいったいなんなのだろう。

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