めでたし

昔々あるところにいつも眠たげにしている男が居りました。


男は大層眠そうな様子にも関わらず一度も寝たことがありませんでした。


否、正確には寝ることが出来ませんでした。


男は布団に潜り目を閉じた時の闇が怖かったのです。暗いと怖くて眠れず、かといって少しでも明るいと気が散ってそれはそれで眠れません。


不思議な力が働いているのかそれとも実は自分では気づかないうちに眠っているのかは謎ですが寝ないことのデメリットは眠気以外ありませんでした。


しかしあまりにも眠気が酷かったので男は安心して眠る方法を探し始めました。


何ヵ月、何年の時を経て男はついに眠る方法を発見しました。


頑丈なロープと折れない木を上手に使い男はついに眠ることに成功したのでした。


それ以降、男は眠気に悩まされることは二度となかったと言います。

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