第13話 レジーナ、敗北する
「クッ……貴様ぁ」
だらしない
「よくも……よくもよくもよくも、公衆の面前で私に
胸の内から湧き上がった怒りを声に出してブチ
「うああああああああーーーーーーーーっっ!!」
大きな声で叫ぶと、剣を手に取り敵に向かってドカドカと走り出す。むやみやたらに剣を振って、相手に斬りかかろうとした。
もはや戦術もへったくれも無い、ただの力任せのヤケクソだ。怒り狂った猛牛の突進に等しい。そんな乱暴な斬撃が魔王を
「ハァ……ハァ……ハァ……」
表情に疲労の色が浮かび、
「レジーナ……お前の剣術は
ザガートが王女の戦いぶりに苦言を
「……うるさい」
レジーナが下を向いたままボソッと小声で
「うるさい……うるさいうるさいうるさいうるさいっ! お前
狂ったように大声で
「うああああああっ!」
王女が雄叫びを発しながら、またも魔王に向かって走り出す。ヤケクソ気味に剣を縦に振って、相手をたたっ斬ろうとした。
ザガートはサッと後ろに下がって、王女の一撃を難なくかわす。力任せに振られた剣は何も無い地面にドガッとぶつかり、その衝撃で砂
「ハァ……ハァ……クソッ! さっきから避けてばかりで
王女が激しく息を切らしながら無茶な要求を突き付けた。回避に専念する相手の戦いぶりに、なりふり構わずイチャモン付けて文句を
「フゥーーッ……」
ザガートがとても気だるそうに
「良いだろう……ならば全力で俺を斬ってみせろ。それで貴様の気が晴れるというのならな」
あえて挑発するような言葉を吐くと、一切の構えを解いたまま棒立ちになる。何か考えがあるのか、完全に王女の攻撃を受け切る気でいる。
(やった!)
相手が無防備な姿になったのを前にして絶好の
「魔王ザガート! 今度こそお命
死を宣告する言葉を発すると、手にした剣を魔王の頭部めがけて全力で振り下ろそうとした――――。
剣の刃先が魔王の頭に触れた瞬間、ギィィィインッ! とけたたましい金属音が鳴る。
激しい電流のような振動が王女の腕にビリビリと伝わり、たまらず手を離してしまうと、剣が物凄い勢いで後方に弾き飛ばされて地面に転がった。
「なん……だと」
一瞬何が起こったか全く分からず、王女がポカンと口を開けた。
生身の男の頭に剣で斬りかかったら、まるで分厚いコンクリートの壁に激突したように弾かれたのだ。
防御結界を張り
「俺の体はドラゴンの皮膚より硬い……たとえ砲弾の雨が降り注ごうと、無傷のまま歩いて突破できる。魔法の結界すら必要ない。王女よ……お前の剣の切れ味が今の十倍あったとしても、俺には
ザガートが自分の打たれ強さについて、自慢するように語る。想定通りに事が運んだ喜びで気を良くしたのか、フフンッと嬉しそうに鼻息を吹かせた。
「そん……な」
男の言葉を聞いて王女が
事ここに至ってようやく勝ち目が無い事を悟り、完全に闘争心を失う。格上の相手に
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