威厳の無い最弱テイマーは、胃袋掴んで最強テイマー?!
神音色花
身内話
争いごとを好まず、剣よりも知識に没頭していたため辺境を守る名目がある貴族としては腰抜けと評されていた。
それでも良いと言ってくれる両親、辺境での争いでは体力があったため前衛部隊と後方部隊の間を行き来する治療部隊の隊長としていないよりかマシな程度に認識されていた為、地方貴族間の中で穏やかな生活を暮らせていた。
ある日、血縁者の夫婦が無くなり国の反対側から養子縁組で弟が出来た時からだろうか、そこから少しずつ生きづらいと感じ始めたのは、
弟は自分とは正反対の素質を持っていた。北部の険しい生活を知っていた弟は南部の生活は生ぬるいとマールに話した。
もともとの素質と知見が広くなった弟はマールや同い年の子息を抜いて上層部とコンタクトを取れるほど辺境の戦で功績を叩き上げた。
そのおかげで、家の評判は鰻登り。中央の偉い人に見初められ由緒正しい王立学園の入学書が届いた時は親が見たことないほど喜んでいた。
もちろん名目上はマールが家紋を引き続ぐ跡取りであった為、世間体を気にしてか後日マールにも入学書が届いた時には両親との溝がポッカリと出来ていた。
本来なら中央からに始まり、後手に回って来るはずの成人の儀式にその中央からに呼び出され儀式に参加した。
中央の成人の儀式とは、10歳になる貴族の子息淑女と学園に入学を認められた平民の適正職を見るというもの。効率よく学校で鍛え上げて国の力に回す機関の最初の鬼門だ。ここで将来が大きく左右されるのだから。
だから、
弟が、既にソードマスターの適性を示した時みんなが称賛した。
戦士から始まるレベル上げや職適性のサイドスキルが大人顔負けであることはなるべくして持ち得ていた代物だったのだ。
そして僕はテイマーの適性を示した時、誰も感心を示さなかった。両親でさえずっと弟から目を逸らさなかった。
儀式を行う鑑定士から、テイマーとしての威厳スキルが低いことを告げられてこれではまともにテイムすることは難しいという言葉をかけられた時、世界から放おり出されたような感覚になった。
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