崩壊

思い出した。

ゆっくりと、海の奥底まで落ちていって、誰の声も何の声も聞こえない。聞こえない中で私はずっと下を向いている。

無音の場所で、疲れ果てた人生に背を向けるように。助けてくれる人なんて誰もいない。誰も。

絶望の中で誰にも干渉されない場所を追い求めていた自分がいた。


今になって思う。

本当に助けてくれる人なんていないって。

全て相手の自己満足なんだって。

あーあ、もうどうでも良くなってきたな。

誰かに与えるだけの人生。与えていたら少しくらい愛を返してくれるんじゃないかって。ずっと思って、願ってた。

実際はそんなことはなく、全て他の人に取られてしまう。

僕が何をしたっていうんだよ。ただただ、愛して欲しいだけなのに。

そんなことを考えてもどうしようもない。だってこれは自分だけじゃどうしようもできないから。

だから、他人に期待したくないんだ。

誰とも話したくない、連絡もとりたくない。

誰かと話すことが、今は、とても辛い。

この人なら大丈夫かもって思わせないで。中途半端に優しくしないで。

結局自分から遠ざかっていくのに、優しさを与えないでよ。

関わらないでよ

頼んでないよ

楽しくなんて生きていけないんだよ


何もかもに疲れた。会いたくない話したくないどこかにいってしまいたい。

愛じゃなくて辛さを与えないで。愛が欲しい。なんで泣くの。

こっちだって受け止める余裕なんてない。今で自分で精一杯。人のことなんて考えられない 助けてあげられないんだよ。

自分を助けるのは自分自身なんだから。頼らないでよ。

どんなに想っていても、救うことはできない。だって私は君じゃないから。

あなたの感じ方はわからないから。

救われたいなんて思っても、どうせ。

救ってくれる人なんているわけないんだから。

それなら、誰のことも信じない方がましだ。結局はどこかで関係が切れるんだから。

輪ゴムみたいに急に切れたり、長く長く引っ張られ続けて、いつかプツッって切れてしまったり。どこかで問題を拗らせてしまって、紐がボロボロになっちゃったり。

繋がったものは、いつか切れる。

伸びたものも、いつか緩んで切れる。

生きたものは、いつか死ぬ。

全てを投げ出してしまえたらな。早く帰りたいよ、

この叫びは誰にも届かないのに。馬鹿馬鹿しい。


期待なんて、結局は学ばない馬鹿がすることなんだよ。

ひどいことを言われても、悪口を言われても、

ゆっくり息を吸って吐いたら、大丈夫。

まだ、耐えれる。溢れ出そうな感情を抑えるように、目を瞑りゆっくり吸って吐く。

自分の中の辛いことを全て出すように。ただただ吐いて吐いて吐いて。また吸う。

綺麗な空気を吸えた気がしなかったら、また吐く。

それの繰り返し。

吐いてる時は、気持ちいい。自分の中の悪が消えていく気がするから。

そうでもしないと生きてられない。

誰かに裏切られる覚悟で救いを求めるか、この地獄の中でたった1人で戦っていくか。

どっちも選びたくないよ。…でも、

救われた、と思った途端に、いなくなって欲しくない。

でもそれは相手次第。私の願望は通らない。通ってしまったら迷惑だから。

だから、人と関わりたくない。ただ1人で、見えない底まで落ちて、落ちて、落ちて。

まるで自由落下。時間が経っていると思ったら、落ちるスピードが桁違いに早くなっていたり。

もう這い上がれないよってところまで落ちてしまったり。

でも、それでも裏切られたくないんだ。人は怖い。

だから関わりたくないんだよ。

消えてしまいたい、死ぬ勇気はないから。

せめてこの世界から存在が消えてくれたらどれほど感謝を申し上げましょうか。


生きるのってなんでこんなに難しいの。

早く老わないかな。そうしたら…

でも、まだ死ねない。死ぬ勇気なんてない。

死ぬ勇気なんて持ってない。死に方もわからない。だから生きている。

こんな幸せじゃない生き方でもいいですか

楽しく生きるなんてできません。少なくとも今私は苦しいです。

結局うまいこと利用されて、用済みになったら捨てられて、自分自身の欲は何も満たされないまま、人生が終わるのかな。

前なら嫌だって思っていたはずなのに。

今はもうそれでもいいや。


もう一度、あそこに行きたい。

海の奥底。どんな音も、どんな光も届かない、たった自分1人だけの場所に。

また行きたくなっちゃったな。心がぼろぼろだ。

切実に、心から願う。


もう何も与えないから、関わらないで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る