鉄錆の魔境【前編】

暗黒星雲

第1話 ザーラとポーラ

「マスターの真っ白なお肌……きれい」

「乳首もピンク色できれい」


 まただ。着任して官舎に入った途端、二体の自動人形オートマタが私に絡みついて来た。私の上衣はもれなく剥ぎ取られる。


「止めろ。司令部に出頭しなくてはならな……あああっ」


 色白のポーラが私の股間に顔を埋めた。鼻先で敏感な部分を刺激してくる。


「マスター……もっと感じて」

「後で相手してやるから……今は……」

「却下します。もっと気持ちよくなって」


 色黒のザーラが私の乳首に吸い付いて来た。甘噛みしつつ舐めまわしてくる。


「今は止めろと……」

「嫌。移動中は何もできなかったんだから」

「もう限界。マスターを下さい」


 ザーラとポーラ。この二体の自動人形は性に対して貪欲だ。人間そっくりの彼女達は、機会があれば際限なく私を求めてくる。


 私は全ての着衣を剥ぎ取られ、体中を舐めまわされ、敏感な部分を刺激された。僅か十分ほどの間に幾度もの絶頂を刻み込まれた。


「ありがとうございます、マスター。今日も素敵でした」

「マスターのお体……堪能させていただきました」


 白い肌のポーラ。対してザーラの肌は褐色だ。

 二人とも小柄で、まだ思春期前のあどけない容姿をしているが、製造されてから千年以上を経た優秀な個体なのだ。彼女達は本来、白兵戦用の自動人形なのだがセクサロイドの機能も有している。その彼女達が私との性的関係を構築しているがゆえ、彼女達は私の命に従い戦う。我が帝国軍は彼女達の力を必要とし彼女達は私との性行為を望む。そして私は、彼女達との行為に没頭してしまっている。このままこの関係を続けても良いのかどうか疑問は残るのだが、私の欲望はそれを拒めないままでいる。


 シャワーで体を洗った後、私は司令部に出頭した。

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