本物の編集者の見抜き方

らんた

本論

【はじめに】たまーに出る自称「編集者」。それ本当に編集者?

ネットにですね・・・「私は編集者です。編集者の私の意見によると~」という書き込みに食いつく人が多いんですね。本創作論はそういう「偽物」を「掴まされないよう」にしてちゃんと創作できるようにするって論です。なのでエッセイですらないです。


 例えば上の文章。段落が1字分字下げしてないです。こういうことを指摘出来ない人はほぼ100%「自称編集者」つまり嘘です。今書いてる文章が1字字下げの文章です。他にもまだありますよね。「・・・」とありますよね。これ間違いです。当たり前ですが「……」が正しい文章です。「2倍3点リーダー」って言いますよね。これ見抜けない時点で実はあなたは偽物編集者情報を掴まされるし一生書籍化は出来ません。


 なのでね「落ち着け!!」って私は言いたいわけなんですね。こういう情報を掴される人って心に余裕がない人なんですよ。そもそもラノベって楽しく書く物で「書籍化、書籍化、書籍化~!」って頑張るとこじゃないんです。貴方は「気合いだ、気合いだ、気合いだ~!」と言ってる人が編集者に見えますか? だとしたら相当重症です。今テクニックを見せましたね。「!」や「?」の後は1文字空白を必ず付けるんです。こういうことを真っ先に指摘する人が本物の編集者です。だけど会話文の最後に「!」や「?」を付ける場合は1文字余白は要らないわけです。


 そんなこと知ってて当たり前だとか思うでしょ? 知らない人多いんですよ。


 さらにですね、専門用語が一切出ない編集者も偽編集者です。「トルツメ」すら出てこない編集者は間違いなく100%偽編集者です。編集者は校正もやるんです。企画書だけ書けばいいやって専門職ではないんですね。校正員に丸投げしているわけでもありません。


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トルツメ・トルアキどちらも赤のH線を引いてかつ横棒線部分から別の赤線で誘導し「トルツメ」と書くか「トルアキ」と書く。なお「トルママ」と「トルアキ」は意味が一緒なので要注意だ。文芸校正の場合は「トルアキ」をめったに使わないので単に「トル」と校正員や編集者が書く人も多い。その「トル」とはもちろん「トルツメ」の事だ。知らない人は書籍化後に赤っ恥を書くのでぜひここで覚えて置いておこう。念のために言うが「トルツメ」とは「その文章を削って残りの文章を詰めて下さい」という意味だ。だから「トルアキ」とは「その文章を削ったあとにその部分をブランクにして下さい」という意味になる。ポスターの校正などで「トルアキ」はよく使う。それではトルツメ・トルアキ以外の代表的校正用語はこちらだ。


トルツメ・トルアキ以外の代表的校正用語


・「~分ツメ」、「~行ツメ」文字詰めろという意味。Web発文学は原稿用紙じゃないので行を開ける人が多い。このため文芸用に詰める必要があるのだ

・「大」この部分は大文字にしろ(赤丸で囲む)

・「小」この部分は小文字にしろ(赤丸で囲む)

・「ミン」→明朝体にしろ(著者には関係のない記号)

・「ゴチ」→ゴシック体にしろ(「ゴシ」と書く人も多い。著者には関係のない記号)

・「イタ」→イタリック体にしろ(著者には関係のない記号)

・「ルビ」次話で最大のポイントとなる記号。赤丸で「ルビ」とあってルビを振れと著者に指示を出す

・「イキ」→修正を取りやめる

・「2倍ドリ」→2倍三点リーダーにしなさいという記号。普通は□の中に3点入ったものが2つ並ぶ。ただし□の下に3点の点が打ってあってそれが2個並ぶ場合もある。どちらにしても「2倍三点リーダーにしなさい」という意味。なおこれが2点だと2倍2点リーダーになるが2倍2点リーダーは基本使わない(少なくとも文芸ではほぼ使われない)。

・一文字開け→赤い□を書いてさらに挿入マークを付ける。!や?の前に良く付ける。

・Zのような記号→ここで改行しろという意味

・前文の末尾と後文の先頭の文字をつないだ赤線→改行を止めて1行にしろ

・角ばった「ひ」を横にしたようなマーク→1字下げ指示。特にラノベ作家が忘れがちな段落1字下げを指示されている。原稿用紙がバリバリ現役だったときの名残のマークだ。そう、これ本当は原稿用紙に沿って赤線を引いていたのだ。

・上付→赤でVマークを付ける。マイクロソフト・ワードで既に「上付け」機能があるため最近は指示されないことが多い。上付は注釈番号を使う特に多用する。

・下付→赤で逆V字マークを付ける。例えばH2Oの「2」に使う

・カンプ刷り→実際の印刷物に近い形で出力したもの

・ゲラ→ゲラ刷り。「校正刷り」とも言う。

・最終ゲラ→最終ゲラ刷り。ここで間違いを逃すと無事出版後に誤植となる。


↑こんなとこですね。なお著者でこれらの用語を知らない場合はもう文章がデタラメすぎて直しようがなくて著者に何も告げずに全面的に校正員と編集者が書き直したということ。絶対恥ずかしいから公言しないように。まぁ、これらの専門用語を出して知らない奴は100%偽編集者ですし、これらは特に原稿用紙で書くときに自分でも使う奴ですからぜひ覚えてください。


 ルビ記号をここで出しましたよね? それでは本題として次に超重要なルビの話へと続きます。

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