第50話 日常の裏で
「もう!レオ兄さま、どこに行っていたのですか?」
レオナルドが戻ると、セレナリーゼが
「ごめん、ごめん。ちょっと店内を見て回ってたんだ」
レオナルドの口元に苦笑が浮かぶ。ゲームでは、いかにもお
「っ、何か私に選んでくださるんですか!?」
レオナルドの言葉にセレナリーゼは目を
「いやいや、俺に服選びのセンスなんてないよ」
そんなセレナリーゼの反応にレオナルドは
「むぅ~~。…はぁ……。わかりました。お母さまがこちらも選んでくださったんです。どうですか?」
セレナリーゼは何か言いたげに小さく
レオナルドは必死に頭を働かせるが、これまでと同じ言葉しか出てこなかった。本当にもう少し
そんな二人のやり取りをすぐ近くでフェーリスは
結局セレナリーゼも二着の服を購入した。
その二つはどちらも、レオナルドが試着したセレナリーゼを見た瞬間、思わず小さな声で可愛い、と
一方、レオナルド達が買い物に出かけている頃、ミレーネは一人、メイド長に頼まれた買い出しのため市場に来ていた。
先日レオナルドから突然控えるように言われ、
買い出し自体は慣れたもので、貴族向けの店を順に回っていく。
最初に入ったのは紅茶の
店内に入ると茶葉の
店員もクルームハイト公爵家のメイドであることはわかっているようで実にスムーズだ。
店を出たミレーネは次にコーヒー店に行った。こちらでも豆の
元々クルームハイト公爵家でコーヒーを飲むのはフォルステッドだけだったのだが、最近はレオナルドも飲むようになった。それもフォルステッドと同じように
当初はコーヒーの
そんなことを思い出してクスっと小さな笑みを浮かべたミレーネ。
頼まれたものはすべて買い
「やあ。買い物中かな?
「まったくその通りだな。そんなものは店にでも
明らかに貴族とわかる服装をした男二人組がニヤニヤとした笑みを浮かべながらミレーネに声をかけてきたのだ。
年はミレーネとそう違わないように見える。実際彼らは今年度から学園に
今も
「……いえ、申し訳ございませんが仕事中ですので」
相手が貴族のため、ミレーネは
だが、どこぞに
「なあネファス。俺の聞き
「いやいや、そんなまさか。おい、君。君は知らないようだが、この人はクルエール公爵家の
ネファスと呼ばれた青年が自分達がいかにすごいかを語り、だから自分達に従うのが当然だというように上から目線でミレーネに
「っ!?」
ミレーネは頭を下げながらネファスの言葉に一度肩をビクッとさせると目を見開いた。ミレーネの体が
(クルエール……!?ブルタル……!?)
だが実際は違う。ミレーネは
(ダメ。今はダメ!このままじゃクルームハイト家に迷惑がかかってしまう)
「……大変申し訳ございません。この後も仕事があり急いでおりますので失礼致します」
今にも
だが、そこでネファスがミレーネの腕を
「っ!?」
その
「何を勝手に行こうとしているんだ?僕達が優しく言っているからってメイドの
「っ、お放しください!」
ネファスの掴む力が強いのか、触れられたことの
「誰に物を言っている?こちらの質問に答えろよ。どこのメイドだ?」
「……クルームハイト公爵家に
このままではどうにもならないとミレーネは
「はははっ、なんと妹に次期当主を
だが、ミレーネの答えを聞いたグラオムはクルームハイト公爵家そのものを
「グラオムさんの言う通りだ。当てが
腕を引っ張られたミレーネは数歩進んでしまったところでグッと足に力を入れた。そして―――、
「放してください!」「うわっ!?」
ネファスの手を思い切り
「大丈夫か!?ネファス!女、
そんなミレーネの背中にグラオムが
―――――あとがき――――――
お読みくださりありがとうございました!日常回から一転、何やらきな臭くなってきました。
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