第53話 声
先手はブラックワイバーンだった。
レオナルドに
「グルゥアアアッッッーーー!!!」
「くっ!?」
レオナルドはそれをギリギリで
ブラックワイバーンは
ブラックワイバーンの息つく
『レオ!次が来ます!』
ステラが
自分に
「くっ!!」
「ぐぉっ!?」
ブラックワイバーンの尾に
ズドーーーーン!!!!
そして、
「くはっ!!!?」
レオナルドはとんでもない勢いで岩山に吹き飛ばされ、背中から
その
『レオ!?大丈夫ですか!?』
(……問題、ない!)
衝撃は
痛みから
先ほどまで自分もいた
(くそっ、パワーが違い過ぎるな)
口の中を切ってしまったのか、血が
『ええ。もう攻撃を受けようとは思わない方がいいでしょう』
(あの速さの攻撃を避けながら攻撃しなきゃなのか…。マジでやべえな)
『今の白刀ではそれも難しいです。先ほども尾に
ステラは一つの決断をして、レオナルドに提案する。
(っ!?わかった。やってみる!)
今のステラの言い方、白刀にはまだ上があるということだ。白刀化の特訓のとき、どれだけの霊力を流せばいいかはステラの指示に従っていた。今はその感覚にレオナルド自身も慣れていてすぐにその量の霊力を黒刀へと流せるようになったが、実際はもっともっと流してもいいということだ。
「ハアアアァァァッッッ!!!!」
レオナルドが
(成功、か?いや、でもこれは―――)
刀身全体に
『ええ。レオが感じている通り、その状態は霊力の消費が激しい。今までのが
そうなのだ。ステラの言う通り、見た目は似ていても、
(わかった。でも、
『また
(だな。……ってアレは!?)
レオナルドはそこでブラックワイバーンの変化に気づいた。
ステラとのやりとりの間、レオナルドは
(ブレスが来る!?)
レオナルドがそう思ったのとほとんど同時だった。ブラックワイバーンから闇色のブレスが放たれ、レオナルドが立っていた場所は闇に
(あっぶねー!今のはマジでヤバかった!)
レオナルドは心臓をバクバクさせ、冷や汗を流しながらも、ブレスにやられることはなく、上空にいた。ブレスが放たれると思った瞬間、飛行の精霊術で急上昇したのだ。速度を上げ過ぎると体への
『あんなのをくらっていたら
(それ今言うことか!?まあ、でも避ける必要もなくなるってのは
そんな話をしながらもレオナルドはブラックワイバーンから目を離さない。どうやらブラックワイバーンはブレスを放つと
するとそのとき―――、
『―――――レ』
声が
(ん?ステラ、今何か言ったか?)
『いえ、私は何も言っていませんが』
レオナルドは気のせいか、とすぐに気にするのをやめた。いや、気にしていられなくなったと言った方が正しい。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
ブラックワイバーンが動けるようになったからだ。
レオナルドを
そうして第二ラウンドが始まった。
今度はレオナルドから突進する。
ブラックワイバーンがスピードに乗ると対応が難しいことを
そうすることでブラックワイバーンの攻撃を頭部を使ったものに制限できるというメリットもある。
ブラックワイバーンが鋭い牙で攻撃するが、レオナルドはそれを避けながら白刀で斬りつける。すると、今回は確かに斬ることができた。だが、浅い。レオナルドは思わず顔を
こうして戦いは、短期決戦
そんな攻防がしばらく続くと、ブラックワイバーンがレオナルドの攻撃を
そして再び始まる超接近戦。
『――シ――レ』
(っ、なんだ?やっぱり声が?)
戦いの
『確かに。ですが今は目の前の敵に集中を』
(ああ)
レオナルドにとってギリギリの攻防戦が
だが、
『コ―シ―クレ!』
再びの声。もう確定だ。決して気のせいなんかではない。その声は徐々にはっきりしてきていた。
(まただ!……まさか!?これブラックワイバーンの声なのか!?)
レオナルドはその可能性に行きついた。
『……そうかもしれません。ですが、会話が成立する相手ではないでしょう。何を言っているのかもわかりませんし、敵の攻撃は続いているのです』
ステラの言うことは
だから―――、
「おい!話してるのはお前なのか!?何て言ってるんだ!?俺の言葉が聞こえるか!?」
レオナルドは戦いながらも、声を張ってブラックワイバーンに話しかけた。
『レオ!』
ステラがレオナルドを
ステラの考えは
「声はお前なんだろう!?俺に届いてるから!話せるなら話をさせてくれないか!?」
レオナルドはブラックワイバーンに声をかけ続ける。その声には必死さがあった。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
しかし、返ってきたのは咆哮。そして素早く反転しての尾による攻撃だった。
心を
体の向きを戻したブラックワイバーンとレオナルドが再び
そのときだった。
『コロシテクレ!』
これまでと違い、明確な意味をもった言葉がレオナルドの頭に響いた。
―――――あとがき――――――
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