第19話 魔素と生気(プネウマ)
「……仕様としての弱点、という可能性ですか?」
ヨシフミがそうつぶやき、悠は深くうなずく。
「前に母から聞いたのですが、米は機械で刈るから、それに適するように背を低く育種をしてきたと。それに対して、酒米の品種はそっちの角度への育種が進んでいなくて、背が高くて機械での稲刈りが大変なんだと聞きました。
でも、背の高い品種と低い品種が混じれば、高い方が光合成できて絶対的に有利だ、と。
これと同じように、弱点としても他の見方では有利……、というより『便利』になるような身体の作りってことはあるんじゃないでしょうか?」
「
ヨシフミの確認に、悠は再びうなずく。
「瑠奈さんの言うとおり、自然の進化である可能性はあると思いますけど、蒼貂熊がそういう生き物だとしたら、その魔素とか
身体の弱点ってのは、器官の中心ってこととも言えますから、その可能性、ありませんか?」
その質問に、ヨシフミの表情はさほど変わらなかったが、瑠奈は辛そうな顔になった。
「昔、歴史上のできごとでだけど、大量虐殺の際に大量の
部屋の中は静まり返った。
誰もが、衝撃を受けたという顔になっていた。瑠奈ですら想像するのがおぞましく、口に出すには辛い歴史上の事件だったのだ。だが、ヨシフミだけが、人類の蛮行に対して距離を置くことができた。みなが人間でいようとする中で、唯一人間以外を志したのがヨシフミだったからだ。そして、前から知識として持っていたということもあって、動揺が少なかったのだ。
「人類史の中で、
ともかく、人間から
でも、他の生き物で、
部屋に、瑠奈の声だけが響く。
「じゃあ、蒼貂熊の弱点は、魔素とか
という悠の質問に、ずっと黙ってきた星波が口を開いた。
「私は、魔素をコンデンサに入れてここまで持ってきています。その出し入れに、身体に穴を開けてというのは、考えたこともありません。呪文で、手から好きに出し入れができるからです」
それに対して、瑠奈が聞く。
「魔素と
言霊みたいに、口に出しただけでそういうことが起きるとは考えられない。なんらかの因果関係があるはずよ。
呪文の音の波が影響しているの?
それとも、呪文を唱える術者の心理状態を整えるためのものなの?」
そう聞かれた星波は考え込んだ。
あとがき
第20話 魔法の文法
に続きます。
本日は、挿絵入り。
花月夜れん@kagetuya_ren さまにいただきました。
感謝です!!!!
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