人嫌いの錬金術師

しろしまそら

出会い

プロローグ

 少し変わっている君の隣が、少し変わっている私にとっては、どんな場所よりも心地良かった。


 君があの月夜に大切な言葉をくれたから、私は今日も笑っていられるのだと思う。


「突き抜けろ、いっそ奇人と思われろ、道化を演じるくらいで良い」


 独特な優しい人生相談の回答は今も私の糧となっている。


「お前はお前の好きなものを好きなままで良い」


 きっと君は私が本当に魔物だったとしても友達になってくれたんじゃないだろうか。


 君は君自身が思っているよりもずっとお人好しだ。頭が良くて、心が柔らかくて、不器用で、とても温かい。


 そうして、何よりも。きっと君は訂正したいであろう言葉が、今も。


「少なくとも俺は──」

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