第24話 雷次の能力披露
古化は二人を施設内にある施設へと案内した。一階の大ホール内は中小複数の施設が設立されていて、それなりの役割を果たしている様だ。そして、中施設に入って行き更に奥にある部屋に通された。するとそこには、学者の様な人が数名こちらの到着を待っている様であった。これは、お決まりのパターンであり最近はいつもこんな感じだ。
到着するなり挨拶もそこそこに学者の一人が何かを言って来た。
学者1
「では、早速だが見せてくれますかな?」
「そのビリビリ、バリバリの凄いやつを・・・。お願いします。」
古化
「雷次君。公園で謎の怪物と戦った時に君が使った電気の凄いやつ・・・つまりエイリアンを撃退した時の能力をここで披露してくれませんか?」
雷次
「えっ今ここでですか? 多分小さいのなら出せると思いますが、デカいのは自分でコントロール出来ないので無理だと思います。」
学者2
「君のスキルは電気を帯びた何かと聞いておるが、それが、どのくらいの威力があり危険なものであるのかは、君自身も知っておかなくてはならん事です。」
「戦いの時はその能力を見極めて現地入りする事がほとんどですからな。」
雷次
「戦いですか? 薄々は感じていましたが、俺戦いに出るのですか?」
学者1
「古化君、ここへ来て何をするのかを、この二人にまだ話していないのですか?」
古化
「あっはい。まだ詳しくは話していません。雷次君には能力がありますが、宇野君は普通の体ですので中々話をする切っ掛けと時間が無かったものですから。」
学者1
「そういう事ですか。まぁいい。」
「それで、どうすればデカいのが見れるのかが問題だ。ここでそれが確認出来んとクラスが決まらん。振り分けが出来なくなってしまいますぞ。」
古化
「雷次君、頑張って出す事は出来ませんか? 全力で無くても良いから、何とかなりませんか?」
雷次
「そんな事言われましても・・・。では、少し時間をもらえますか?」
雷次は時間をもらい考えた。あの時と同じ状態になれば良いのか? あの時と同じ気持ちになるには、どうすれば良いのか? 必死に考えていた。すると、色々な状況が頭の中に入って来た。
それは「自分が危険である時・・・違う。いじめられていた友人を救い身代わりになった時・・・違う。弱い自分ではダメだ。強い気持ちと、打ち負かす頭脳が必要。それこそが、正義を執行出来る唯一のカギ!」
「悪行を許すことが出来ん! 絶対に出来んぞー!」
すると、雷次の上半身が青白くなりながら、両手から肘に掛け電気の帯が出来始めた。そして、左右の帯を手の平で合体させると、あの時と同じ薄紫色の稲光が蠢く光の球(稲妻ボール)が出来たのだ。
雷次
「うおー!何だか出来ちゃいました。これどうすれば良いですか?」
学者2
「左奥にある、あの置物に当てられるかな? 力いっぱいぶつけてくれないか?」
左奥にある物とは、マネキンの事の様だ。
雷次
「やってみます。しかし、これをぶつけたらマネキンも部屋も壊れてしまうのではないですか?」
学者3
「大丈夫ですよ。この部屋の壁・床・天井はある程度の衝撃は吸収してしまう素材で作られています。この部屋はそういった実験をする為の部屋なのです。ですから、心配せずに全力でやってみてください。」
それを聞いた雷次は安心して標的のマネキンを狙い構えて、足を高く上げた。そして、大きく振りかぶりながら掛け声と共に稲妻ボールを投げ付けた。
「顔面衝害鼻血ブー!」
と、叫びながら思い切り投げた。稲妻ボールは雷鳴を上げながら飛んで行き、マネキンにヒットした。その瞬間マネキンはバラバラになってしまった。
学者2
「おー・・・。これは凄い。私が想像していたものよりも強力な破壊力だ。おまけに、君は命中率が良いね。それに、何ともゆかいな掛け声だ。」
雷次
「はい、小学校の時にリトルリーグに入っていてピッチャーをやっていました。そして、ピンチの時やここぞという時にあの掛け声を出して投げると、うまく行く事が多いのです。一種のおまじないの様なものです。」
学者1
「良し、これで君の能力がどういうものなのか確認が出来た。少し話し合いをしますので、休憩でもしていてくれ。古化君頼みましたよ。」
そして、学者達は話し合いをする為、別の部屋に移動した。古化達も休憩所へと向かった。
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