殺人鬼スナックママの愉快なお客
ガパオライス
第1話 スナック「アトリエ」のママ、佐文優也という男
ここ、スナック「アトリエ」では、愉快なお客が来ることもある。
そんなお客の目的、それはそのスナックのママである「佐文優也」であった。彼は、ノリがとてもいい、面倒見の良いママであった。
また、オカマというのが第一印象で覚えられやすいのもあるのだろう。オカマという中々に濃いキャラであるが、お酒の力とその場の雰囲気がそれを薄めているのだ。それがちょうどいいくらいになり、彼を覚えてもらう効果があるのだろう。
しかし、彼には秘密がある。
それは、殺人鬼「ワインレッド」であるということだ。
「ワインレッド」…おそらく、世間の人ならば一度は耳にしたことがあるであろう殺人鬼の名前。
姿はピエロだが、見た目は人を楽しませる気がない、禍々しい見た目をしている。
そして、「ワインレッド」に殺害された人間は、体のどこかが必ずなくなっているのだ。
警察の捜査の段階では、この体の一部の行方はわかっていない。おそらく、己の犯行と示すために行われている…と考えている。
しかし、それだけの理由だったらなんとよかったであろう。
彼が死体の一部を持ち出す理由…それは、彼が「作品」と呼ばれる造形品のためであった。
彼は、ピエロの格好をして人の体の一部を使い造形品を作ると性的興奮を覚える異常者だったのだ。
もちろん、己の性欲を満たすために行っているわけではない。
彼の趣味なのだ。
彼は純粋に趣味として楽しんでいるのだ。
そんな彼は、その趣味と同じくらいスナック経営が好きなのだ。
おそらく、スナックは彼の天職であろう。
そんなスナック経営が、彼の楽しみでもあるのだ。
しかし、そんなスナックにも珍妙であり愉快なお客も来る。
この物語では、彼の趣味からは一旦目を引き、彼のスナックに来るお客のお話をしよう。
殺人鬼スナックママの愉快なお客 ガパオライス @gapao_raisu
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