第23話 治療開始とお願いしてみた2
どのくらい経ったのだろう。
『痛い苦しい』、もう夕方になるのか窓から見える空は、黒い。
ご飯も2、3口で『カンカンカーン!ギブアップ』である。
食事後の薬に、カロナールと胃薬が追加された。
看護師さんは、「もう、食べないの?薬だけだといが荒れるわよ。水分は、取ってるの?」と「食べても、吐くから今はいらないし、飲んでも吐くから今日は、寝るよ。」と僕の言葉に、片付けて部屋を後にする。
夜中も、「うぅ~、うぅ~、あかん。もう、限界や」1人で唸りながら、悶える。
そこに、胸痛まで追い打ちをかけてくる。
息は荒く、寝間着は汗を吸って体温を下げる様にヒンヤリする。
巡回の看護師さんがやって来る、部屋で唸っているわたしに寄ってくる。
「大丈夫?」『カチッ』と電気がつくと額にも涙とも汗とも分からない状態で枕もぐっしょり濡れていた。
「まだ、吐き気や頭痛はするの?」
わたしは、「胸も痛い。」と伝えた。
背中を擦ろうと手を当てた時に、
「先ずは、着替えましょう。後、頭を冷やせるように準備するから。」
と汗を拭き、着替えを手伝ってくれた。
朝、頭を冷やした為か、少しマシな気がした。
が、やはり気がしただけである。トイレに行こうにも、足元は覚束ない、よろけながら戻ると、力を使い果たしたかの様に、疲れ果てる。
そして、頭痛と吐き気が酷くなってくる。
ご飯の後に、先生がやって来た。
「おはよう。調子は見るまでもないようだね。」
絶賛、副作用に苦しんでいる状態を見て、即答である。
「もう、減らすからね。それだけ、きついなら何も出来ないでしょう。水分は、取れている?」と言われた。
僕は「飲んでも吐いてしまうから、無理そうです。」と、「点滴を今日は追加します。ちょっと、痩せたね。」と確かに、副作用以前に精神的に食欲があまり無い。
「分かりました。先生、年内にはどうしても退院したいのですが?何とか成りそうですか。」
「経過次第たけど、始めたばかりだから、今の状態では無理だよ。」
もう、クリスマスは諦めて年内に標準を変えて考える。
脈が早くなったりはぁ・・・、してないようだ。ガックリである。
頭痛と吐き気は来てるのに、『おいおい、肝心な所が来てないよ~。』
と思いながら、先生との話は終わった。
お昼からは、瞳がやっ来る予定だったが、電話で明日に変更してもらう。
「何かあったの。」
「いや、今日はちょっと疲れてて、薬のせいかなぁ。ろくに話し相手も出来ないから、明日にしよ。」
と副作用が酷い事、点滴を今日はしている事を隠したかった。
もう、元気になっていく姿だけを見せていたい。
(この姿は、見せられないや)元の姿に、普通で構わないから、まだ一緒にいたい。
激しい頭痛と吐き気に襲われながら、少しでも楽しい事を想い出す。
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