第20話 ラーメン戦争 ⑧

香織と涼介は東南アジアで得た証拠を手に、日本に帰国する準備を整えた。彼らは慎重にスパイスの袋を梱包し、密輸にならないように必要な書類を整えた。


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「香織、この証拠をどうやって無事に日本に持ち帰るかが一番の問題だね」と涼介が言った。


「ええ、だからしっかりと書類を準備しましょう。違法なものではないことを証明するために、現地の関係者にも協力してもらった方がいいわ」と香織が応じた。


二人は現地の法律事務所に足を運び、必要な書類を整えた。その過程で、現地の弁護士からもアドバイスを受けた。


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数日後、香織と涼介は無事に日本に帰国した。成田空港に到着すると、彼らは急いで事務所に戻り、証拠を整理した。


「これで、全てのピースが揃ったわね」と香織が言った。


「そうだね。次は、この証拠を使って堀井を追い詰めるための準備をしよう」と涼介が応じた。


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その夜、二人は堀井が逮捕された経緯や証拠を基に、彼の関与を証明するためのシナリオを練った。証拠を基にした緻密な計画を立て、堀井の動機や手口を明らかにするための準備を整えた。


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翌朝、香織と涼介は警察署に向かい、証拠を提出した。刑事たちは二人の証拠に興味を示し、捜査の進展に大いに役立つと評価した。


「これは非常に重要な証拠です。堀井の関与を証明するために、これを使わせていただきます」と刑事が言った。


「ありがとうございます。真実を追求するために、私たちも協力します」と香織が答えた。


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数日後、警察は堀井達也を再び取り調べに呼び出した。堀井は当初、何も話そうとしなかったが、香織と涼介が提供した証拠が突きつけられると、彼の態度は一変した。


「このスパイスはあなたが仕入れたものですね?そして、それが原因で藤原理香さんが亡くなったことは否定できません」と刑事が問い詰めた。


堀井はしばらく黙り込んだ後、重い口を開いた。「確かに、私はそのスパイスを使いました。でも、そんなことになるとは思ってもみませんでした…」


「あなたは藤原理香さんがその成分にアレルギーを持っていることを知っていたのですか?」と刑事がさらに問い詰めた。


「いいえ、それは知りませんでした。ただ、橘の成功が妬ましかっただけです」と堀井はうなだれながら答えた。


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香織と涼介は警察署の外で待っていた。堀井が取り調べを受ける様子を見ながら、二人は安堵の表情を浮かべた。


「これで、事件は解決に向かうわね」と香織が言った。


「そうだね。でも、これが終わりじゃない。私たちの仕事はまだ続く」と涼介が答えた。


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事件が解決に向かう中、香織と涼介は「太平洋ラーメン」に戻り、橘義太郎に報告をした。


「橘さん、堀井が罪を認めました。これで一連の事件は解決に向かいます」と香織が報告した。


「本当にありがとうございます。これでやっと安心して店を続けることができます」と橘は感謝の意を表した。


「私たちも協力できて嬉しいです。これからも美味しいラーメンを作り続けてください」と涼介が笑顔で答えた。


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その夜、香織と涼介は「太平洋ラーメン」で新作ラーメンを楽しんだ。店内は再び賑わいを取り戻し、藤原理香の取材がなければ実現しなかったこの味を堪能した。


「事件が解決した後のラーメンは一段と美味しいわね」と香織が言った。


「本当にそうだね。これで一件落着。でも、また次の事件が待っているかもしれない」と涼介が答えた。


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こうして、香織と涼介は新たな冒険に備えながら、門司港の美しい夜景を楽しんだ。次なる章では、さらなるミステリーが彼らを待ち受けている。果たして、その先にはどんな事件が待っているのだろうか。

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