第46話 奴隷と競馬をやって大穴馬券を当てた
今後も異世界から女を連れてくることがあるので、実家の家族に取り敢えずラウラを紹介することにした。
俺達は実家の玄関に転移して、畳の居間に行く。
親父が寝転がりながらテレビで競馬を見ていた。
うちの実家は米農家で、米以外にも親父が半分趣味で平飼いの採卵養鶏場と錦鯉の養殖をやっている。
競馬やってるってことは……。俺はカレンダーを見る。
土曜日か……セイファに迷惑掛けたな。今日は休みだったろうに。ん?それで俺を家に誘ったのか?お泊りできるよ的な……、まぁ考えすぎか。
最近異世界が楽しくてこっちに来なくなったら曜日感覚が麻痺してるな。
「父さん、新しいトラクターと稲刈り機買いたいんだけど今度注文してくれる?」
「え?ああ、ゴロウか。型番教えてくれたらメーカーの担当者に言っとくぞ」
「選んどくよ」
ウィスタシアの実家で使う農機具も揃えないとな……魔法じゃ細かい作業はできないから人力か機械頼りになる。精麦はヴォグマン領で収穫した麦を転移させて、うちの精麦機を使わせればいいか……。業務用だから買うと高いしね。
「かぁー、また負けちまった!ウメール、無敵だな。今日は固いんだよなー、くっそう!」
「俺も馬券買うから、買ってもらっていい?」
「ビギナーズラックってか?素人が簡単に当たるわけないだろう?」
「いいから、いいから」
『ラウラちょっとお願いがあるんだけど……』
『ん?』
ラウラにテレビに映る電光掲示板に何番が来るか未来を見てもらうようお願いした。
『ちゃんと見えるかわからないけど……、うん、やってみるね!』
ラウラの瞳の魔力が膨れ上がる。
なんて恐ろしい魔力量だ。彼女はもしかしたら魔王を超える存在になるかもしれない。
『っ!見えた!』
『こ、ここに書いてくれるか?』
髪とペンを渡すと初めて文字を書くのか左手でぎこちない字を一生懸命書いている。
なになに……1着7番、2着14番、3着1番か。
「おーい、決まったか?このレースはかてーぞ。銀行レースだ。オラァ8番のエヌティーアールインパクトと10番のツイホウザマァーの馬連だぜ」
「どれどれ……8と10は単勝1.8倍と2.7倍。一番人気と二番人気、ガチガチじゃん」
「バーカ、銀行レースなんだって。全額突っ張ってやるZE!」
何だその死亡フラグ的な発言は!?
「俺は3連単1点で7番ロリコンバクシンオー、14番アクヤクレイジョウ、1番アシタカラガンバリマス。1点千円でお願い」
「7番人気、12番人気、13番人気……はぁ!?オッズは……三連単255万だってよ。こんなん来るわけないだろうが?金をドブに捨てるようなもんだぞ?」
「いいから、いいから」
千円だと当たったら2550万か……。ヤバ!
「はい、お金」
異次元倉庫から親父の手の上に千円札を出現させた。
親父はスマホで馬券を買いながら言う。
「まーた、お前は何も無いところからぽんぽんカネが出てくるな。魔法だっけ?流行ってんの?」
「異世界じゃ皆使ってるよ」
「すげーな、異世界」
で、レースが始まった
『本日の東京メイン、11レース、第23回カクヨムコンステークスG3。……態勢完了、スタートしました。さぁ逃げる逃げる紅一点、14番アクヤクレイジョウ、あっという間に7馬身、8馬身と引き離します。二番手は7番ロリコンバクシンオー、そのうしろに一番人気8番エヌティーアールインパクトはこの位置、最後方から1番アシタカラガンバリマスの態勢。各馬第3コーナー、大ケヤキの向こう側』
うーん、アシタカラガンバリマスは厳しいか……。あの位置じゃ届かないだろう。
毎日投稿できなそうな名前だし……。
『さぁー直線に入りました。依然先頭は14番アクヤクレイジョウ、2番手まで7、8馬身ある』
「いけーッ!させーッ!ウメールぅうううううう!!いけーッ!たのむぅーーーッ!!」
親父が超デカい声で叫んでいる。
ラウラは親父にドン引きしてるな……。
息子の俺でも引くもんな……。
『エヌティーアールインパクト、ツイホウザマァーは伸びないか!大外からロリコンバクシンオー物凄い末脚だ!更に内からスルスルとアシタカラガンバリマスが伸びてくる。ロリコンバクシンオー、アクヤクレイジョウ、ロリコンバクシンオー差した差した!一着7番ロリコンバクシンオー、二着14番アクヤクレイジョウ、三着広がって内から伸びた1番アシタカラガンバリマスが優勢か!!』
あっ、当たったッ!!?
「うおおおおおお!マジかよ!当たった!やったああああああッ!!よっしゃああああああッ!2550万ッ!!やっばッ!!」
『ゴロウ、どうしたの?』
『ラウラーッ!ありがとうぅー!』
俺は嬉しさの余りラウラを抱きしめた。
『ふふっ、良かったね、ゴロウ♪』
3連単の払い戻し2550万円!!ヤバすぎるって!!
てかオッズ変わるからもうラウラを使って競馬やるのやめとこう……ッ!!
「お、おめでとう……ゴロウくん……冷やし中華あるけど食べてくか?あとその子誰?」
いくらカネ使ったか知らんが、あんなに威勢の良かった親父が真っ白になっているwww
「いや、かーさんとじーちゃん、ばーちゃんいないから俺帰るわ」
「そんなこと言わずに食べていきなよ〜〜」
「え?なに?金貸さないよ?全額愛莉の口座に振り込んでね。今すぐ」
俺のネットショッピングの引き落としは全て妹の愛莉のクレカを利用しているから定期的に、妹の口座にカネを入れている。
「父さん、今月のお小遣い無くなっちゃったんだぁ〜。五千円でいいから!ね!?貸してくれないかなぁ〜、ね?」
と上目遣いで俺を見詰める親父。ね?じゃないよ、全く。
知らねーよと言いたいところだが、当たった俺のカネでギャンブルやりそうなんだよな。
後で「増やして返そうと思った」とか、平気で言うからね。
「しょうがないなー。じゃぁ50万円あげるから、でもそれでギャンブルするなよ。あと愛莉に2500万振り込んでね」
「ごごご50万もくれるの!?ま、まじで!おっしゃぁッ!うっひょー!たまんねぇ〜〜!やっぱ持つべきは異世界転生した息子だよなぁ〜!!で、その子誰?」
そんな息子普通いないからね!!
ラウラのこと話すとギャンブルに利用されそうだからやめとこう。
「他にもいるから今度紹介するよ。じゃ俺帰るから。そのカネでギャンブルするなよ。いい加減、奴隷紋張るからな?」
「大切に使うよ〜。ゴロウ、いつでも帰ってこいよ」
こうして俺とラウラは転移魔法陣に乗り異世界へ帰ったのだった。
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