2024年9月
9月1日 終わらない終わりが始まる。夏の延長戦のような朔日
9月2日 底紅の紅は褪せることもなく 終わりのそのまた先が知りたい
9月3日 絵を描く。理想を描く。現実を描く。帆布は白くて黒い
9月4日 青春の象徴であれ流れ星零れる空は目に焼き付いて
9月5日 ポジティブさん、この人生の攻略法 書面にまとめて教えてみてよ
9月6日 相も変わらず大事なことを見落として 落書きばかりが増えるメモ帳
9月7日 きみの目を楽しませるため風景の一部になりたい星になりたい
9月8日 どこにでもいくよそのためはねをはやしたの しらないせかいのことしりたくて
9月9日 昨日まで大事にしてたはずなのに ゴミ箱の底 膝を抱えて
9月10日 忘れ物 信号は赤 臨時休業 ま、そんな時もたまにはあるさ
9月11日 縫うように歩いた海と陸の間 寄せては返す波は透明
9月12日 言い訳と言い逃れのミルフィーユ 抗いがたい甘美な誘惑
9月13日 眠れない夜をひたすら嚙み締めた 見透かすような蟷螂の眼の
9月14日 思い出をなぞる指に刺さる棘 痛みはない。喜びはない。
9月15日 透明になったみたいな午前二時 鏡に向かって笑顔の練習
9月16日 月が満ち欠ける頃また会いましょう デッドラインは飛び越えていけ
9月17日 正しさを正しく貫き通すには 正しさだけでは足りないけれど
9月18日 都会では見つけられないカシオペア そこにあるはず、あるよね、きっと
9月19日 長旅の末、この手に集まった お守り代わりのあれこれは愛
9月20日 恥ばかりかいてきましたこの度はお世話になりますパイントのアイス
9月21日 秋うらら並んで食べる親子丼 月が綺麗じゃなくてもいいよね
9月22日 着古したTシャツは色褪せて秋 わたしの夜は愚かで静か
9月23日 あのね、あの、君に見つけてほしいからわざと迷子になったの気づいた?
9月24日 ママレードジャムの瓶の底の底 迎えにきたから出迎えてってば
9月25日 脳味噌を洗って磨いて元に戻す 「はじめまして」の「は」で笑って
9月26日 転んでもただじゃ起きない僕たちはお手手つないで明日へジャンプ
9月27日 思い切り嫌われたいよノイズだけが放たれているぬるい泥水
9月28日 唯一の唯一無二のわたくしは割れたガラスにうつる瞳孔
9月29日 祝うような紙吹雪ひらひら 天使のラッパは シの音 鳴らない
9月30日 サレンダー マイナス六度の爆弾は隠してしまう 無数の君を
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