第71話 戦力
第1433世界の先鋒2人を潰した日の翌日。初代皇帝様が捕虜にした完全回避の人を220階まで運び、情報収集をしている間、シュヴァルツさんと会話をしながらレベリングを行う。
「昨日の第1433世界の2人ってたぶん向こうの世界では強い方だよね?」
「あ?そりゃそうだろ。
もし第1438世界が第1433世界の立ち位置で先発世界と戦いながら相対した世界に人を派遣するなら俺か初代皇帝が行くだろ?」
「それか私が行くパターンもあるかな?
どっちにしろ、準主力級ではあると思うから……情報は取れるだろうけど、おかわりは来そう」
「とりあえず攻撃してMPを減らしてしまった時点で敵対するしかなかったのが辛いな。下手に生かして時間停止に勘付かれると厄介だから仕方ないんだが」
今日は互いにパーティーを引き連れてのレベリングなので、お互いの社畜もいるけどたぶんほとんどの敵を倒しているのは自分とシュヴァルツさんの2人。……結局のところ、1人1人が持つ固有のスキルに頼る部分は大きい。
『第1433世界の主力メンバーの固有スキルについて尋問したら嘘しか言わなかったんだけど、1つだけ本当のスキルがあった。
スキル名は超人。効果はレベルが下の相手からのダメージ量を1/10にする』
「なんかえげつねえスキル持ってる奴いるな!?」
「先行している世界の人が持って良いスキルじゃないでしょそれ……。
時間停止+破壊が必須じゃん」
「……時間停止中なら普通に攻撃し続けて倒せるだろ」
「ただでさえ相手の方がステータスは圧倒的に上なのにダメージ1/10は5分で倒せ切れるかって話になってくると思うよ。
だから絶対防御持ちに対して、シュヴァルツさんに攻撃させたんだと思うし」
しばらく230階での狩りを続けていると、初代皇帝様からタブレットで連絡が入るけどどんな拷問しているんだろう。……あの人200年間以上生きているわけだし、まだ国が纏まっていない時期を経験しているわけだから拷問上手そうだよね。絶対囚われたくないや。あ、でも痛みがないのにどうやって拷問をしてるんだろ……?
「罠に反応がありました。魔物かもしれませんが……」
「げっ、おかわり来るの早くない!?」
「1日遅れで追従していた2番手パーティーって感じか?
……昨日、230階に到着予定だった先行している2人組が帰還していないことから少しは警戒すると思ったんだが」
今日は5レべぐらい剣聖のレベルを上げようと、魔物を狩り続けていたところでシュヴァルツさんの社畜であるクオンさんから罠が作動した報告を受ける。あくまでも作動しただけだから魔物が通り過ぎただけかもしれないけど、階段に向かって設置しているから第1433世界の人間である可能性は高い。ちなみに害を与えるような罠じゃないから、本当に階段付近で通過があったか分かるだけの罠だね。
急いで階段に向かって走り、接敵するタイミングよりも前に時間停止を行使。……離脱する時間を考えると、4分以内に相手をどう処理するか決めないとね。
「ヤバいスキル持ちはいる!?」
「右から『獲得経験値倍増』『一撃必殺』『即時復活』『ドラゴン化』です!」
「全員やべえな!?一撃必殺持ちは俺がやるから他で即時復活持ちのMP枯らせ!」
231階から下りて来たのは4人のパーティーで、全員強みを持っている感じだったけど時間停止に対抗できる人はいなかった。とりあえず一撃必殺持ちはレベルも高かったのでシュヴァルツさんが勢いよく『破壊』し、自分は即時復活持ちの心臓部分を突き刺すんだけど一撃では死なない。こいつら平均280レべってさっきより高いし主力組かな?
急いで練習していた袈裟斬りからの水平斬りを披露して、何とかHPを0にするとすぐにHPが満タンになってMPが100減る。……意図して時間停止に対抗できる存在を置いたわけじゃないだろうけど、相手のMPを考えるとあと9回も復活するとか理不尽な存在だなあ!?
シュヴァルツさんの破壊でもすぐに復活する辺り、滅茶苦茶強いんじゃないかこの人。仕方ないので他2人をシュヴァルツさんと自分で処理してから、即時復活持ちを捕虜として捕らえる方針を固め、MPが尽きるまで即時復活持ちを切り刻んだ。
「残りMP200切った!」
「再開しろ!」
時間停止を解除した途端、3人が死に、1人残った即時復活持ちはMPが残り13になっているからか吐いた。一応HPも残り27になるまで攻撃して削ったから顔は真っ青になってるね。
シュヴァルツさんが脅したら相手は降伏したため、その後はきちんと初代皇帝様から貰った枷を付けるんだけどレベル274が相手でも捕縛出来るものなのかな。本当は時間停止中に枷を付けるべきなんだろうけど……時間停止が出来る時間を考えると残りMP200というのは1つのラインだと思う。
これで後続が来たらわりとピンチだった気がするけど、いなさそうだから大丈夫かな。あとは潜伏している人がいないか、エレーナさんが偵察を連打したけど隠れている人はいないし大丈夫そう。あとはこいつを220階まで護送する人についてだけど……ムニさんを呼んでムニさんに任せようかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます