第16話 2人目
塔の街、バーメインの社畜販売所にやってきたわけだけど結構な数の社畜がいる。中には救助要請をして、謝礼のお金を払えなくて社畜落ちした人とかもいるみたいだし、結構借金塗れになって社畜になった人が多いみたい。
目当ての鑑定士はいなかったけど、鑑定持ちで狩人の女の子がいたから即決で購入。……あれ、鑑定持ちってことは鑑定士レベル50まで上げてから転職しているはずなんだけどステータスがかなり低い。何でだろう?
「あー、うー、えーっと、生まれた時から鑑定を持ってまして……」
「鑑定スキルを最初から持ってたのかあ。
一応聞くけど、異世界人?」
「……はい」
「えっ」
謎だったので、2人目の社畜となったエレーナさんに何で鑑定スキルを持っているのか聞いてみると最初から持っていることと、異世界人であることを聞かされる。元々両親が冒険者でこの街に住んでいたらしいけど、あっさり塔で死んでしまってからは孤児院へ。
……そして孤児院で育てられた子供は、大抵社畜として売られるのでエレーナさんは選択の余地がなかったってところかな。とりあえず自分に対しては鑑定するなという命令を出しているので、時止めスキルを彼女は把握していない。
外見は自分より背が高いけど、この世界での年齢は12歳らしい。前世込みだとアラサーだとか。……外見はそれなりに可愛いせいでお値段約450万円。貯金が半分ないなった。
【ステータス】
名前:エレーナ
職業:狩人
レベル:2
HP:14/14(3)
MP:3/3(1)
攻撃力:6(3)
防御力:6(3)+1
魔法攻撃力:4(1)
魔法回復力:4(1)
魔法防御力:5(2)
命中:7(4)
回避:6(3)
技力:7(4)+20
敏捷:6(3)
フリーポイント:2
スキル:『鑑定』『信仰(アテーナー)』『アテーナーの加護(極小)』
ステータス的には村人レベル10の段階で狩人に転職したって感じかな。狩人自体は初級職の中だとかなり優秀というか遊び人と比べると高くなるステータスが多い。エレーナさんの加護はアテーナーって神様らしいけど知らないや。アテネと何か関係ある?
「エレーナさんは神様の知識とかある?」
「あまりないですけど、アテーナー様に会った時は自己紹介でアテネの守護女神って言ってました」
「あー、じゃあギリシャ神話っぽいね。
……ちなみにタナトスって分かる?」
「聞いたことあるような感じですけど憶えてないです。
今度アテーナー様に聞いてきましょうか?」
「フィルスちゃんの神様、対面したらめっちゃ怖くて声も出せないみたいだからお願い」
そしてエレーナさんに直接聞くと、なんか凄そうな神様ということを知る。自分に神話の知識なんてないけど、同じ異世界人なら詳しい人とかもいるかな。エレーナさんも有名所しか知らないみたいだけど、自分よりかは神話知識ありそうだし、何より神様と仲良さそうだから直接聞けそうなのが大きい。
しかしまあ、2人目の社畜が同郷になるとは思ってなかったしこりゃ想像以上に異世界人が多そうかな。エレーナさんは転生タイプだし、たしか自分も最初は転生する流れだったから転生者の方が多いのかも。となると、半年に1人ぐらいのペースでこの世界に異世界人来てる?
あとエレーナさんに今まで鑑定で見たことのある神様の名前を列挙させてみると「エーギル」「ペルーン」「ウゥなんとか」の加護がある人を見かけたことがあるらしいので冒険者の街の孤児院で普通に生活しているだけでも3人の異世界人と遭遇するぐらいには多いってことだね。ちなみに自分は全部分からなかった。エレーナさんも分からないみたいだしいきなり神話の神々の名前を出されても普通は分からない。
エレーナさんのレベリングをしようかなと思ったけど、塔の街バーメインの周囲にウルフなんて湧かないので、塔でレベリングするしかなさそう。とりあえず最初は私が先頭で、骸骨達をぶちのめしていこうかな。と、その前にエレーナさんの武器を買わなきゃ。……ナイフとかで良いかな?
「あの……弓が欲しいです」
「出来るの?」
「元々弓道部だったので……狩人を選んだのもそれが理由です」
そう思ってエレーナさんに何の武器が欲しいか聞いてみたら、弓を希望されたのでそこそこお値段の高い弓を購入。ステータス的には攻撃に+20、命中に+10だから自分の初期装備の剣より良さそうじゃん。
矢も買ったけど、こっちは安い。アイテムバッグに収納できるから残弾をあまり気にしなくていいのは助かるね。フィルスちゃんの分のアイテムバッグも購入したので、ウルフ10匹分が入る容量のアイテムバッグが合計3つになった。
……満タンまで入れてもそんなに重たくないこのバッグ、どうなっているのかはめっちゃ気になる。まあでも容量が見た目以上に大きいバッグって、滅茶苦茶便利だし今後はもっと容量の大きいやつの購入もしようかな。
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