ダンジョンの中
門をくぐった誠也が最初に目にしたのは、広大な草原だった。
空には二つの蒼い太陽が浮かんでおり、草原の草はとても黒い。
まるで悪魔が住む魔界の如く禍々しい。
「絶対に人が住める所じゃないな、ここ」
いや、本当に人が住む場所じゃないわ。
まだ砂漠とか南極とかのほうがマシだ。
だって明らかに不気味な感じするし。
めっちゃ鳥肌立ってるし。
帰りたい。
周囲を警戒しながら誠也が歩いていると、モンスターと遭遇する。
「グギャギャ」
「グギャ…グギャギャ」
現れたのは三匹のゴブリン。
一匹一匹が武器を持っている。
槍持ちが一匹、弓矢持ちが一匹、剣持ちが一匹……か。
一対多は初めてだな。少し緊張する。
だけどやるしかない。
「狩りの時間だ」
盾と短剣を構え、誠也はゴブリンたちを睨む。
「行くぞ!」
誠也は地面を蹴り、ゴブリンたちに突撃した。
最初に狙ったのは剣を持つゴブリン。
彼は短剣を素早く振るう。
「グギャ!」
誠也の剣撃をゴブリンは剣で防いだ。
剣と短剣がぶつかったことで、ガキン!と金属音が鳴り響く。
「グギャ!?」
誠也の一撃が重すぎるあまり、ゴブリンは剣を手放した。
「こっちはLV10なんだよ!」
今の誠也は子供だが、LVは10。
身体能力、肉体強度、体力は大人以上。
ゴブリン相手に負けるか!
「隙あり!」
誠也は短剣をゴブリンの胸に突き刺し、心臓を貫く。
ゴブリンは血を吐き、ゆっくりと地面に倒れる。
「まずは一匹!」
ゴブリンの胸から短剣を引き抜き、誠也は次の標的に視線を向ける。
「グギャ!」
弓矢を持ったゴブリンは、矢を放つ。
迫りくる矢を誠也は木の盾で防ぐ。
そして彼は短剣を投げ飛ばす。
投げ飛ばした短剣は弓使いのゴブリンの頭に突き刺さる。
「二匹目!次、三匹目!」
最後に残った槍使いのゴブリンに向かって、誠也は駆け出す。
ゴブリンは刺突を放つが、彼は
木の盾がゴブリンの顔にめり込む。
「グギャ!?」
殴られたゴブリンは地面に倒れる。
そのゴブリンに馬乗りした誠也は、木の盾を振り下ろす。
「グギャ!?」
また殴られたゴブリンは鼻から血を流す。
もうやめてくれと訴えるような目でゴブリンは、誠也を見る。
悪いな。やめるわけにはいかないんだよ。
誠也は容赦なくゴブリンの顔を木の盾で殴る。
殴り!殴り!!殴り!!!殴り続けた!!!
ゴブリンの顔は変形し、血が飛び散り、木の盾は赤く染まっていく。
だが誠也は止めない。
ゴブリンが死ぬまで殴り続けた。
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しばらくするとゴブリンはピクリとも動かなくなった。
三匹のゴブリンを殺した誠也は、ゆっくりと立ち上がる。
「ステータスオープン」
誠也は自分のステータスウィンドウを表示する。
<><><><>
ステータス
名前:創造誠也
年齢:五歳
種族:人間
LV:13
スキル:【鍛冶師】〈鍛冶〉武具や防具の製作、修理、強化が可能。製作能力が上昇。
<><><><>
「やっぱりダンジョンのモンスターを狩ると、LVが早く上がるな」
普通のモンスターを倒すよりも、ダンジョンのモンスターを倒す方がLVが上がりやすい。
そしてダンジョンのモンスターの素材と魔石は質がいいのだ。
これならLVを50にするのも難しくないな。
まぁ、ダンジョンでLV上げする馬鹿は俺だけだと思うけど……。
ハハハ、よく考えたら俺って本当にバカだよな~。
いくらLVを上限値まで上げるためとはいえ、攻略しないと出られないダンジョンに来るなんて。
普通ならやらないだろうな。
「さて、素材集めでもするかな」
ゴブリンの頭から短剣を引き抜き、誠也はモンスターから素材を剥ぎ取ろうとした。
その時、草むらから複数のゴブリンたちが現れる。
数は二十以上。
「グギャ…」
「グギャギャ!」
下卑た笑みでゴブリンたちは武器を構えて、誠也に近付く。
まったく……素材集めはまだあとか。
めんどくさい。
めんどくさいけど……やるしかないよな。
誠也は木の盾と短剣を構え、ゴブリンたちを睨む。
「来いよ……クソゴブリンども!
誠也はニ十匹以上のゴブリンと戦う。
木の盾でゴブリンの頭を殴り、白い短剣でゴブリンの首や胸を切り裂く。
赤い血を浴びながら、彼はゴブリンを殺していった。
その姿はまるで……鬼のよう。
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